イーストスプリング・インド・インフラ株式ファンド/ イーストスプリング・インベストメンツ

イーストスプリング・インベストメンツ/イーストスプリング・インド・インフラ株式ファンド
オススメ度:
1
運用会社:
イーストスプリング・インベストメンツ(旧 PCAアセットマネジメント)
商品名:
イーストスプリング・インド・インフラ株式ファンド
地域/決算:
インド / 年2回
対象資産:
株式
基準価額:
5,074円(2013年6月24日付け)
手数料:
1.5%(申込手数料 ※SBI証券) 1.22%(信託報酬)

イーストスプリング・インド・インフラ株式ファンドは他社同型投信に劣る!

この投信は、以前は「PCAインドインフラ株式ファンド」という名称だったが、2012年に運用会社のPCAアセットがイーストスプリングへ名称変更をしたのを機に、現在は「イーストスプリング・インド・インフラ株式ファンド」という名称になった。ただ、その中身は同じで、変わらずインドのインフラ関連企業の株式に投資している。さて、過去の分配金履歴を振り返ると2008年5月から分配金は0円が続いている。おそらく今後も分配金は0円の可能性が高い。

PCAインド・インフラ株式ファンドの基準価額及び純資産の推移チャート

まず基準価額だが、他社のインド株式型投信と同様に2009年から2010年までは横ばいで、その後に下落したが、2013年現在はようやく戻してきた。ただ、他社投信には累積投資額(分配込みの基準価額)では2010年時の水準まで戻っている投信も存在する。その意味では上昇は鈍い。

純資産も他社投信同様に減少しているが、その減少幅は大きめだ。基準価額が上昇しているわりに、資産が増加基調に入っていないのも解せない。何にせよ、このまま縮小が続きそうな気配で、このままでは償還を向かえて消えていきそうな流れだ。

PCAインド・インフラ株式ファンドの国別上位構成銘柄

次に、この投信が投資している株式銘柄だが、インフラ関連企業への投資を謳っているわりには、業種比率では、なぜか銀行への投資比率が高い。銀行も金融というインフラではあるが。。。2番手以降にエネルギー・資本財・情報通信が続く。ただ、トップ3で全体の90%近くを占めている。銀行と資本財だけでも50%超ということから、インドの金融業への依存度は高い。

個別銘柄の上位にある「リライアンス・インダストリーズ(Reliance Industries)」は、グループ合計1080億ルピーを誇るインドでも有数のエネルギー企業だ。ただ、エネルギーといっても資源の採掘だではなく、加工品や繊維業にも携わっている。その売上は年々増加している反面、利益は微増か減益という歪な状況で、株価も2010年時から20%程度の下落をして低迷している。

インド経済のGDP等の経済指標

今後のインド経済の見通しだが、結論から言うと現在は非常に厳しい状況だ。成長率は2010年から急速に減速している。個人消費を牽引してきた自動車の販売台数も、政府の金利引き上げがあり、自動車ローンを組みにくいこともありで頭打ち状態にある。ただ、もちろんIT大国として有名なインドだけあって、グローバルなIT系企業のインドにアウトソーシングしており、ことITに関しては堅調に成長はしている。ただ、ITだけでは経済全体の底上げ。維持するには力不足と言わざるをえない。

また、慢性化している停電、鉄道などを含めた輸送面での不安、政府の規制によりオフィスの価格が東京と比較しても特別に安くはない、さらには社会的に根強く残るカースト問題等、問題は山積みだ。

次に、インド株式に投資する投信(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・利益(利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額)分配利回り等を比較した。また、分配金のうち実際にファンドの収益が何%かも投信の健全性として比較した。さらに基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。計算上は「前年比で基準価額がマイナス5%なら、1~3年後も5%ずつ減額すると仮定し、3年分の分配金を足すと元金100万円はプラスか?」※増減率は基準価額が1年前から何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。信託財産留保額は投信を解約時に発生する約0.5%の費用

商品名 HSBC
インドオープン
イーストスプリング
インド株式
アムンディ
りそなインド
野村
インド株投資
イーストスプリング
インフラ株
基準価額 12,569円 9,754円 4,934円 14,029円 5,074円
増減率 +22.3% +28.6% +36.9% +24.1% +17.1%
手数料 3.0% 0% 3.0% 3.0% 1.5%
信託報酬 2.00% 1.22% 1.13% 2.00% 1.22%
分配利回り 0.4% -1.2% -1.1% -0.7% -1.2%
3年分の
分配利益額
-18,395円 -41,600円 -63,900円 -56,508円 -56,600円
分配金と収益
比率
\300=\300
(100%)
- - \180<\0
(0%)
-
100万で3年運用
※基準価額
増減考慮
1,810,447円 2,087,504円 2,504,157円 1,854,526円 1,548,066円
最終予想
利回り
21.8% 27.8% 35.8% 22.8% 15.6%
インド株式型投資信託の比較表(HSBCインドオープン・イーストスプリング インド株式・アムンディ りそなインド・野村インド株投資・イーストスプリング インフラ株)

上図で「イーストスプリング・インド・インフラ株式ファンド」を比較したが、まず基準価額は1年前の2012年6月の4,334円から、2013年6月現在の5,074円まで17%しか上昇していない。これは明らかに他社のインド株式型投信よりも低い数字で、上昇幅が小さい分だけ分配金を出しているわけでもない。投資している株式銘柄を思い返しても、他社投信と同様に銀行への投資比率が高かったのだが、それ以外の投資銘柄で差が付いたと考えるしかない。また、手数料は1.5%と微妙に安価で、信託報酬も安価な部類には入り、その意味ではプラス評価といえそうだ。ただ、基準価額の増減を加味した最終予想利回りは15%と、やはり他社の同型の投信には劣る数字だ。それも、昨今のインド経済と見通しからして、このパフォーマンスを2014年以降も維持できるかは大いに疑問だ。利回りは2~3%で上出来、マイナスになることも容易に予想される。

結論としては、直近1年のパフォーマンスは悪くはないが、それでも他社のインド株式投信には劣る点、それらと投資している株式銘柄に大きな差がない点から、この投信は特にオススメはしない。ほぼ似た銘柄に投資しているなら、よりパフォーマンスの良い投信に投資した方が利益が出る可能性も高いためだ。ただし、そもそもインド経済の状況から厳しい状況が続く可能性が高く、他社のインド株式投信の購入を考えている人でも、投資額は最小限に抑えた方が賢明だ。