HSBCインドオープン/ HSBC投信

HSBC投信/HSBCインドオープン
オススメ度:
3
運用会社:
HSBC投信
商品名:
HSBCインドオープン
地域/決算:
インド / 年1回
対象資産:
株式
基準価額:
12,569円(2013年6月24日付け)
手数料:
3.0%(申込手数料 ※みずほ証券) 2.0%(信託報酬)

HSBCインドオープンは超長期なら検討の余地はあるが厳しい!

この投信は、インド企業の株式に投資し、その配当・売買益等で運用している。さらにインド企業以外でも利益の大半を主にインド国内で稼ぎ出している外資企業も投資対象としている。そのため「マルチスズキ」のような日本の自動車メーカーのスズキのインド子会社も投資対象となる。さて、過去の分配金履歴を振り返ると、2009~2012年は毎年300円を出している。2008年は分配金が0円だったが、それ以外は2005年から分配金を出し続けている。

HSBC インド オープンの基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

まず基準価額だが、2012年9月から近々までは上下はあれど上昇してきた。それでも2007年のピーク時には遠く及ばないが、累積投資額(分配金込みの基準価額)では2007年時の半値までは、ようやく戻してきた。ただ、直近は世界的なアジア株安の波を受けて下落している。予断は許さない状況といえるだろう。

一方で純資産は2009年から微減傾向にあり、止まる気配は見られない。余りにも減少が続くようなら年1回の分配金といえど、キープできなくなる可能性が出てくる。

HSBC インド オープンの上位構成銘柄及び業種比率

この投信が投資している株式だが、業種別では銀行が16.4%とトップで、次いでエネルギー・素材・ソフトウェア・不動産と続く。また、通貨ではインドルピーと米ドルが半々の比率となっている。これは冒頭でも述べた通り、インド市場に上場している企業以外も投資対象としており、またADRという米ドル建てでも米国外の企業に投資できる仕組みを利用しているのも理由の1つだ。

個別銘柄ではインドで最大規模を誇りNY市場にも上場している「ICICI銀行」がトップだ。経営規模は磐石に近いポジションなのだが、株価は2010年から800~1100ルピーを行き来しているだけで、今後も大きな伸びが期待できない銘柄といえる。配当に妙味があるのかもしれない。2番手には、インドの7~8割の生産量を誇る「インド石油天然ガス公社(ONGC)」が名を連ねている。こちらも株価は行き来しており伸びが見られない。

インド経済のGDP等の経済指標

今後のインド経済の見通しだが、結論から言うと非常に厳しい状況だ。成長率は2010年の10%から急速に減速し、鉱工業・通信などの落ち込みが非常に厳しい。さらに、個人消費を牽引してきた自動車の販売台数も金利上昇が原因で頭打ちだ。どこで景気・経済が底を打つのか分からない状況だ。

また、慢性化している停電などのインフラの脆弱さもあり、外資のインドへの投資が減少している。これはインドを含めたBRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)から、より人件費が安価で資源も豊富なVISTA(ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチン)に本格的に投資マネーがシフトしているのも一因といえる。

次に、インド株式に投資する投信(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・利益(利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額)分配利回り等を比較した。また、分配金のうち実際にファンドの収益が何%かも投信の健全性として比較した。さらに基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。計算上は「前年比で基準価額がマイナス5%なら、1~3年後も5%ずつ減額すると仮定し、3年分の分配金を足すと元金100万円はプラスか?」※増減率は基準価額が1年前から何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。信託財産留保額は投信を解約時に発生する約0.5%の費用

商品名 HSBC
インドオープン
イーストスプリング
インド株式
アムンディ
りそなインド
野村
インド株投資
イーストスプリング
インフラ株
基準価額 12,569円 9,754円 4,934円 14,029円 5,074円
増減率 +22.3% +28.6% +36.9% +24.1% +17.1%
手数料 3.0% 0% 3.0% 3.0% 1.5%
信託報酬 2.00% 1.22% 1.13% 2.00% 1.22%
分配利回り 0.4% -1.2% -1.1% -0.7% -1.2%
3年分の
分配利益額
-18,395円 -41,600円 -63,900円 -56,508円 -56,600円
分配金と収益
比率
\300=\300
(100%)
- - \180<\0
(0%)
-
100万で3年運用
※基準価額
増減考慮
1,810,447円 2,087,504円 2,504,157円 1,854,526円 1,548,066円
最終予想
利回り
21.8% 27.8% 35.8% 22.8% 15.6%
インド株式型投資信託の比較表(HSBCインドオープン・イーストスプリング インド株式・アムンディ りそなインド・野村インド株投資・イーストスプリング インフラ株)

上図で「HSBCインドオープン」を比較したが、まず基準価額は1年前の2012年6月から約20%の上昇を果たしており上々の出来といえる。ただ、他社のインド株投信には30%に近い上昇をしている投信もあり、その意味では物足りない感もある。また、手数料・信託報酬は高額な点はマイナス評価だ。その一方で、インド株投信は分配金が0円の投信が多い中で、年1回ではあるが300円の分配金があり、その分配金の原資も運用の利益から100%が拠出されているのも好感される。基準価額の上昇の物足りなさは分配金でカバーされると考えるしかないか。。。

以上を加味した最終予想利回りは計算上では21%となった。上図では他社の同型投信に劣る数字ではるが、投信全体からすると非常に高い数字だ。ただ、あくまで計算上の数値であり、今後の3年間も同じパフォーマンスを維持できるとは考えにくい。特にインド経済の低迷ぶりを考えると、今からの購入となるとマイナスになる可能性も視野に入れる必要がある。

結論としては、数字面だけ見ると直近1年のパフォーマンスは良好で、分配金も出ており、純資産も減少中とはいえインド株式型ではトップ規模ということから、一定程度は薦められる。しかし、いかんせん投資しているインド経済の見通しが悪すぎる。超長期で考えれば、中国を越えて世界トップクラスの人口になるインドは、「人は力」と考えれば潜在能力は高く、英語力やITに長けた国民性もあり、投資先としての魅力はある。ただ、世界的な短期マネーがインドから引き上げており、インドまで戻ってくるのは、数年後か数十年後になるか分からない状況でもある。数字は魅力的でも、やはり投資するにはイマイチと言わざるを得ない。