ふるさと納税でクレジットカードのリボ払い

ふるさと納税でリボ払いをすると!?

ふるさと納税は、自治体に寄付すると実質2000円の自己負担で、寄付した自治体の特産品が受け取れる人気の節税方法だ。最も得な寄付金の支払方法は?で記載したように、クレジットカードでの支払いはカード会社のポイントが獲得できるため、携帯電話会社を経由した支払いと同様にお得な方法といえる。それでは、クレジットカードをリボ払いに設定している人でも、寄付金はカード払いにした方が得なのか?

リボ払いに設定している場合、最もネックとなるのがリボ払いによる金利の発生といえる。各カード会社のリボ払いの金利を見渡すと、概ね年率で14~15%となっており、それによって負担がどこまで増えるかが焦点となる。

仮に10万円(10万円を超えた辺りから特産品の魅力が増すため)を寄付して、毎月の支払いを5000円のリボ払いを設定し、カード会社のリボ払いの金利を年率15%とした場合を想定する。さらに10万円以外には利用せず、5000円以外には追加返済をしなかったとする。その場合、支払いイメージは下記のようになる。

ふるさと納税の寄付金をリボ払いした場合の返済イメージ(借り入れ額・支払い額・元金・手数料・決済後の残高)

毎月5千円では元本(借り入れ額)を完済できるわけではないが、1年間で支払った返済額がトータルで55,000円で、支払った手数料は約1万円、利用額の元本は約58,000円が残っている。この計算でいけば、おそらく2年と少しで完済できるわけだが、その際には支払った手数料は約18,000~20,000円程度に及ぶ。

さて、ふるさと納税に話を戻すと、ふるさと納税は実質2000円の自己負担で特産品が得られるわけだが、寄付金をリボ払いにすると手数料(金利)が上乗せされることになる。そのため10万円の寄付のうちの自己負担に金利を合算した約20,000円超の対価として、特産品を得ることになる。

この計算に立てば、倫理感を逸脱しているのは間違いなさそうだが、リボ払いでも寄付して税額控除を受けて特産品を貰った方が数字上はお得ということになる。ただし、前提として特産品が2万円以上の価値がある場合に限られる。仮に2万円の価値がなければ手数料分だけ損をすることになる点は忘れずにおきたい。

ただ、そもそも論になってしまうが、ふるさと納税で10万円の税額控除を受けようとすると、独身・共働きで年収650万円、シングルインカムの夫婦なら年収700万円は必要となってくる。そう考えると5000円をリボ払いするような年収とは言い難く、ある程度の貯金をしてからでも遅くないような感は否めない。

さらに、そもそもリボ払いにすることで一応は採算が合うとはいえ、ふるさと納税の還元率を落としてまで急ぐ理由も見つけ難い。仮に人気の特産品が無くなる前に申込みをしたいとしても、それだけ人気があるなら自治体が再び特産品として出してくるのは目に見えている。そうするとリボを選択する理由が、どんどん希薄になっていく。。。

以上のように、ふるさと納税でリボ払いするのは無駄とはいえないが、メリットがあるかと問われれば甚だ疑問だ。大人しく貯金してから、ふるさと納税を考えた方が無難だ。