ふるさと納税と米

ふるさと納税での米の選び方とは!?

ふるさと納税は、自治体に寄付すると実質2000円の自己負担で、寄付した自治体の特産品が受け取れる人気の節税方法だ。特産品の中でもトップ3の人気を占めるのが果物といえるが、それに匹敵する人気の特産品が米だ。それでは、どのようにして米を選べばいいのだろうか?

考えられる米の選び方は、①お得さ(コストパフォーマンス) ②パックか否か ③おまけの3つが挙げられる。まず「①お得さ」だが、これは1キロあたりの寄付金が安い(もしくは寄付金あたりのキロが重いもの)を選択すればいい。1万円の寄付で20キロの米がもらえる自治体と、15キロの米がもらえる自治体なら前者を選ぶといった具合だ。逆に、ブランド米で極端に高価な米(1万円で1キロの米しかもらえない)といった自治体を選ぶ考え方もある。

基本は同じ寄付金なら多くの米をもらえる自治体を選ぶ人が多いだろうが、その際に注意したいのは自分(我が家)の米の消費量だ。米には賞味期限・消費期限の表示義務は存在しないが、食べ物である以上は劣化は避けられない。そのため、一般的に米といえど精米した後の消費期限は概ね2~3ヶ月が目安と考えられている。過度な量の米をもらうと、せっかくの良質な米が台無しになってしまう。そこで、下図の1人1年あたりの米の消費量(農林水産省のデータ)を参照してほしい。

日本人1人1年あたりの米の消費量の推移グラフ

日本人の米の消費量は年々減少しているが、現在でも1人で年間60キロは食べている。1人で3ヶ月(米の消費期限)で消費する米となると、15キロということになる。図らずも、ふるさと納税の特産品の米は1万円の寄付金で、15~20キロとしている自治体が多いため好都合だ。ただし、あくまで15キロは平均値であり、年齢が重ねるほどに米の消費量は減るのは容易に想像ができる。その点を考慮すれば、年齢によっては1人あたり10キロあたりを目安にするといいだろう。もちろん夫婦・子供がいるなら、2倍3倍の量の米をもらっても何の問題もない。

「②パックか否か」は、パックごはんが含まれている特産品を、含めるか否かも判断基準に入れるということだ。前述したように米の消費期限は2~3ヶ月ではあるが、パックごはんだと消費期限は8~10ヶ月に大きく伸びる。パックごはんの保存期間が長いのは加圧加熱殺菌して密封パックされているためだ。前述の1年間の米の消費量からして2~3ヶ月で特産品の米を消費し切れないようであれば、パックごはんが含まれている特産品を選べば、消費期限の懸念を払拭できる。さらにパックごはんは災害時の保存食としても利用でき、常温保存も可能で冷蔵庫の負担にもならない。味はともかく利点は多いといえよう。

最後の「③おまけ」だが、これは米にプラスαの特典がある特産品を選ぶということだ。仮に同じ寄付金額で同じ量の米ならば、味噌・肉などが付加された特産品の方がお得だ。ただ、このような簡単なケースだけでなく、判断が若干難しいケースも想定される。例えば、同じ寄付金額で同じ米の量だが、付加されているのが肉の自治体、パックごはんの自治体、魚の自治体と複数あった場合だ。厳密には付加されている特産物の価格(還元率)で判断することになるが、あまりにも多岐に渡る場合には、おまけの差額は微々たるものと考えて好みで選んでいいだろう。

以上のように、ふるさと納税で米を選ぶにしても様々な考え方があるが、実際には軸の選択法を決めて総合的に考えることになろう。自分の米の消費量を鑑みて米を選択し、その中でパックごはんを追加するか魅力的なおまけを用意している自治体を選択すればいい。くれぐれも食べきれない量の米にならないようにしたいところだ。