ふるさと納税と肉
ふるさと納税での肉の選び方とは!?
ふるさと納税は、自治体に寄付すると実質2000円の自己負担で、寄付した自治体の特産品が受け取れる人気の節税方法だ。数多くの自治体が用意している特産品の中でも特に人気なのが肉で、その種類たるや同じ寄付金額でも数十種にも及ぶ。それでは、どのようにして肉を選べばいいのだろうか?
考えられる肉の選び方は、①人気に乗る ②肉の種類 ③肉の多さ ④肉の質 ⑤予定する調理法の5つが挙げられる。まず「①人気に乗る」だが、これはテレビ・雑誌・ネットで人気の特産品を選ぶ方法で、スピーディーに迷いなく選択できるのがメリットだ。現在であれば、北海道の鷹栖牛、山口県の秋吉台高原牛、兵庫の宍粟牛あたりが人気のようだ。北海道のジンギスカン・鹿肉や○○肉の食べ尽くしシリーズなども根強い人気がある。この中から自分の好きな物を選べば良いためシンプルに決められる。ただし、どのメディアの情報を信じるかで結果は異なるため注意が必要だ。
次の「②肉の種類」だが、肉といっても牛・豚・鶏・鴨に始まり、ジビエと呼ばれる野生鳥獣の肉(羊※ジンギスカン・鹿肉・猪肉)まで種類が豊富だ。野生鳥獣の肉をセットにしたジビエセットもある。その中から選ぶとなると、価格重視なら牛・鴨あたりが候補となる。しかし、レア度という意味では鹿肉・猪肉は優良な候補といえよう。鹿肉は野性味・臭みが少なくあっさり食べられるのが特徴で、逆に猪肉は野性味が強いが脂が強く調理法次第では、えもいわれぬ旨みを味わうことができる。これらの肉は実質的にタダでなければ食べる機会・意欲が沸かないとすれば、これらを選択してみるのは一興といえよう。
「③肉の多さ」は、肉の多さを追求すると単純に寄付金が多額になるため、寄付金あたりの肉のグラム数を比較していくことになる。まずは自分が寄付する金額の幅の中で肉をピックアップしていき、その中でグラムあたりの価格(寄付金額)が安いものを選択することになろう。1万円の寄付で500グラムの肉の自治体と、300グラムの肉の自治体があったら前者を選択するといった具合だ。
この際に注意すべき落とし穴は、その量の肉を難なく消費できるか?という視点を忘れないことだ。基本的には寄付金が大きくなるほどに肉の単価は下がる傾向にあるため、油断すると食べきれない量の肉を選択してしまう懸念がある。一般的に牛肉は冷蔵保存であれば2~3日、冷凍保存であれば最大1ヶ月は可能だが鮮度・旨み考慮すれば1~2週間が目安とされている。せっかくの高級な牛肉を腐らせては意味がないため、十二分に配慮をする必要がある。
「④肉の質」は③とは逆に、グラムあたりの価格が高い肉を選択すればいい。同じ寄付金額であれば量が少ない方を選択するといった具合だ。ただし、還元率が低いだけで実は大して高級な肉ではない可能性もある。そのため数字ではなく一般的に有名な高級牛肉を露骨にチョイスするのも手だろう。高級牛肉には、三大和牛である松阪牛・神戸牛・近江牛に始まり、但馬牛・米沢牛・飛騨牛も含まれる。これらから選択すれば、まず間違いなく不味い肉(人それぞれだが)に当たる可能性は低くなる。
最後の「⑤予定する調理法」だが、これが最も見逃しがちな点であるため注意が必要だ。ふるさと納税の肉は、それこそブロック肉からステーキ肉・スライス肉・焼肉用の小間切れと、肉の厚さ・大きさが異なるものが用意されている。自分が食べたい料理に合わせて選択すれば良いのだが、相応の料理の腕と調理法を誤れば高級な肉を活かすことができない。
料理法がシンプルなステーキといえど一定の料理の腕がなければ肉の本来の旨みを引き出せない。大して高くない肉ならば始めに強火で焼いて肉汁を閉じ込めて、その後は中弱火で火を通すのがセオリーだが、分厚い高級肉となるとサシ(脂)が多いため強火が長いと表面が早々に焦げる。そのため強火は数十秒だけで中火にして動かさず、ひっくり返した後はフタをして水分を飛ばさないようにしなくてはならない。これは基本的な調理法ではあるが、ステーキだと焼き方に好みもある。高級な肉ほど焼き加減をミディアムレアかミディアムが定番だが、生肉が苦手な人もいるだろう。そうなると余計に絶妙な火加減が要求される。。。さらにはフライパン・岩塩・胡椒・ワイン・ソースと考えだせばキリがない。自分がステーキ肉を上手く調理できるかは考えておく必要があろう。
しゃぶしゃぶ・焼肉でも料理の腕は必須だが、相応のタレさえ用意すれば心配は少ない。個々人の好きな焼き具合・ゆで具合が調整可能なためだ。すき焼きも始めに焼く肉の焼き加減には注意を要するが、あとは肉が堅くならないように煮込む時間に気を配れば事足りる。あまり料理の腕に自信が無いようなら、逆に調理の工程が増える肉を選択するのも考え方の1つだ。
以上のように、ふるさと納税で肉を選ぶにしても様々な考え方があり、軸の選択法を決めて総合的に考えるといいだろう。特に調理法については、ステーキ肉をしゃぶしゃぶ肉にするといったことは、普通の家庭にある調理器具では不可能に近い。肉の量を追求したが、ステーキばかりで飽きてしまっては美味しさも半減しよう。実質2000円で手に入るものとはいえ、最大限に楽しめるように考えておくのが賢明だ。