ふるさと納税での自治体の選び方
ふるさと納税で特産品の良し悪し以外で自治体を選ぶ方法!
ふるさと納税は、自治体に寄付すると実質2000円の自己負担で、寄付した自治体の特産品が受け取れる人気の節税方法だ。自治体云々よりもお礼の品(特産品)で選ぶ人が多いが、どうせ貰えるのが食べ物程度なら、思い入れのある自治体を選ぶのも決して愚策ではない。それでは特産品を抜きにして、どのようにして自治体を選べばいいのだろうか?
考えられる自治体の選び方は、①故郷・出身地 ②使い道やGCF ③税収の少ない自治体 ④好きなチームや芸能人の4つが挙げられる。まず「①故郷・出身地」を軸にするなら、自分・兄弟・夫婦のいずれかの出身地、もしくは親類縁者の住む地域に寄付することになる。転勤族なら一時でも住んだ地域でも候補になるだろう。特に故郷からの人材流出と人口減が明らかな場合、自治体の存続が危ぶまれる(財政破綻ないしは合併が起こる可能性がある)ため真っ先に検討すべき寄付先といえる。
次の「②使い道やGCF」だが、自治体によっては寄付金の使い道を定めていることがある。その使い道に共感できるようなら、その自治体に寄付することになる。例えば、県の重要文化財の保護、地域の伝統芸能・伝統産業の振興といった具合だ。ただ、例からも分かるように、この場合には自治体の何かしらの事業に寄付することになる。
そのため、もう少しエリアの広いテーマ性が欲しい人には少し物足りない感は否めない。そこでGCF(ガバメント・クラウド・ファンディング)を利用することになる。ガバメント=政府、クラウド=群集or雲、ファンディング=資金調達という意味で、ネットを通じて資金を集める手法だ。もしくは自治体から非営利のNPO法人を通じて特定の事業に寄付されるケースもある。GCFなら難病治療の支援、動物の殺処分の減少などがテーマとなり、特定の自治体に依存しない公益性のある寄付が可能だ。
「③税収の少ない自治体」は、単純に税収が少ない地域に寄付することになる。ふるさと納税の根源的な目的が税の再分配(税の不均衡の是正)と考えれば、シンプルなようだが意外と奥の深い選び方といえよう。さすがに全国の県だけでなく市町村となると膨大な数になるため割愛するが、都道府県ごとの歳入ランキングは下図となる。イメージ通りといえば失礼になるが、ワースト1~3は鳥取県・香川県・高知県となっている。
最後の「④好きなチーム・芸能人」は、例えば阪神タイガースのファンなら大阪、日本ハムファイターズのファンなら北海道、浦和レッズのファンなら埼玉県、サンフレッチェのファンなら広島といった具合だ。プロ野球は別にして、プロスポーツチームは、多かれ少なかれ地元の自治体の協力を得ており、特にホームとなるグラウンド・スタジアム・体育館は自治体が建築費を捻出しているケースが多い。特に独立リーグやマイナースポーツとなると、民間スポンサーが無い分だけ、その傾向は顕著となる。寄付の使い道でチーム応援が無い場合には、こういった考え方もできる。
また、好きな芸能人の出身地・ゆかりの地に寄付するという手もある。ミュージシャンならGLAYの函館、長渕剛の桜島、福山雅治の長崎といった具合だ。派生して、森高千里の渡良瀬橋のように曲の元になった地域、好きな映画・アニメの舞台となった聖地に寄付するといった考え方もできる。
以上のように、ふるさと納税で特産品抜きで自治体を選ぶといっても、自身の故郷を選ぶ以外にも様々な選択肢がある。もしも特産品に魅力が無い、もしくは欲しいものはあるが寄付金が多額になりすぎる場合には、こういった選び方をしてみるのもいいだろう。自分が用いた選び方次第では、特産品を得る以上の満足が得られる可能性もある。