三菱UFJ 外国債券オープン(毎月分配型)/ 三菱UFJ投信

三菱UFJ投信/三菱UFJ 外国債券オープン(毎月分配型)
オススメ度:
2
運用会社:
三菱UFJ投信
商品名:
三菱UFJ 外国債券オープン(毎月分配型)
地域/決算:
海外・先進国 / 毎月分配型(年12回)
対象資産:
債券
基準価額:
7,132円(2012年11月14日付け)
手数料:
0%(最安手数料 ※青森銀行) 1.00%(信託報酬)

三菱UFJ 外国債券オープン(毎月分配型)はハイペースの減少が懸念される!

三菱UFJ 外国債券オープンは、格付けの高い先進国の債券に投資し分配金を出している。投資している先進国は10カ国前後と、他社よりも比較的多めの設定だ。一般的に、投資先を分散させる程にリスクは分散されると考えられており、その側面は確かに否定できない。しかし、投資先を分散するほど、大きくパフォーマンスを向上させるには世界的な好景気が必要になる。なかなか全世界が好景気になるなど考えにくいため、大きく利益を出すには向かない投信ともいえそうだ。さて、過去1年の分配金履歴を振り返ると、毎月45円(税抜き)を出していた。2010年から維持している金額で、今後も維持が期待される。

三菱UFJ 外国債券オープン(毎月分配型)の基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

基準価額は小幅な上昇局面はあるが、基本的にはなだらかな下落傾向にある。ここ数ヶ月は横バイを維持しているが、下落は止まりそうにない流れだ。累積投資額は上昇しきれずに横ばいになっている。他社が2008年の高値近辺まで上昇を始めている点を考慮すれば明らかに物足りない。

純資産も目減りが止まらない。現在は約1,700億円だが、2年前の2010年から50%も減少している。もはや尻すぼみは間違いない。

三菱UFJ 外国債券オープン(毎月分配型)の国別比率・上位構成銘柄・債券種別など

構成銘柄の債券だが、通貨では米ドル・ユーロの比率が高く、北米とヨーロッパ圏への投資比率が高いことが分かる。国別では、アメリカがトップで大半を占め、その後は欧州各国が名を連ねる。ただ、財務面で良好なフランス・ドイツが組み込まれているのは問題ないが、財務面では依然として債務問題がくすぶるイタリアが入っているのは気がかりだ。さらにイギリスを挟んで、これまた債務問題が懸念されているスペインが入っている。確かに利回りは高いため分配金には寄与しそうだが、相応のリスクを背負っている。。。種別で国債が100%のため、個別銘柄でもアメリカ・フランス・イギリスの国債が並んでいる。

今後の債券市場の見通しだが、現在は先進国の相次ぐ金融緩和で債券にも相当の資金が流入している。そのため債券価格は上昇し、債券利回りは低下する傾向にある。この投信のように債券に投資している投信への影響は、債券価格の上昇で資産額が上昇し基準価額の上昇と売却益にプラス寄与する一方で、債券利回りの低下で利子収入が減少するため分配金の維持にマイナス影響を及ぼす。運用はファンドマネージャーの腕次第ということになりそうだ。また、各国の経済情勢については他投信ページの該当箇所を参照してほしい(アメリカ経済見通しカナダ経済見通し

次に、他社のソブリン債型の投資信託(純資産ランキングで上位)と基準価額・手数料・信託報酬・利益・分配利回り等を比較した。「利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額」
加えて、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。
計算上での考え方は「前年比で現在の基準価額がマイナス5%の場合、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額すると仮定して、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

商品名 国際投信
グローバルソブリン
オープン
DIAM
高格付けインカム
オープン
大和投信
グローバル債券
ファンド
日興アセット
高金利先進国債券
オープン
三菱UFJ
外国債券
オープン
基準価額 4,775円 7,608円 6,304円 7,134円 7,132円
増減率 -1.2% +2.4% -2.0% -0.8% +0.3%
手数料 0% 1.0% 2.0% 1.0% 0%
信託報酬 1.25% 1.00% 1.25% 1.25% 1.00%
信託財産
留保額
0.5% 0.5% 0% 0% 0.5%
分配利回り 7.5% 4.5% 3.5% 10.5% 6.9%
3年分の
利益額
221,374円 120,615円 85,266円 305,738円 202,241円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,184,606円 1,195,089円 1,025,868円 1,281,739円 1,212,404円
最終予想
利回り
5.81% 6.12% 0.85% 8.63% 6.63%
ソブリン債型の投資信託の比較表(国際投信 グローバルソブリン・DIAM高格付けインカムオープン・大和投信グローバル債券ファンド・日興アセット高金利先進国債券オープン・三菱UFJ 外国債券オープン)

上図で「三菱UFJ 外国債券オープン」を他社比較したが、基準価額は1年前の7,108円から2012年11月の7,132円まで僅か0.3%だが上昇していた。また、信託報酬・手数料は他社より安価な設定であった。ただし分配利回りは平均レベルに留まる。基準価額の増減を加味して分配金から最終予想利回りを計算すると、6%前後となかなか優秀な数字だ。ただし、前述の基準価額のチャートでは明らかに右肩下がりで、偶然にも大きく凹んだ箇所だったため、1年後にプラスに転じているように見える可能性が高い。それを考慮すれば最終予想利回りも4~5%あたりが妥当かもしれない。

結論としては、これからの購入は微妙で、あまりオススメはできそうにない。数字は決して悪くないが、構成銘柄に若干の不安が残り、純資産が明らかに他社ソブリン債型投信よりもハイペースで減少しているのが理由だ。ソブリン債型は傾向が弱いものの、毎月分配型の投信は基準価額(純資産)を削って分配金を出す傾向が強いため、純資産が大きいに越したことはない。この投信の純資産額は現在は1,700億円程度、グロソブの1兆円とは大きな開きがあるが、それ以外のDIAM高格付け、ダイワグローバル債券などの3,000億円超と比較しても半分程度の資産しか持っていない。まだ減少傾向にあることを考えれば、年月を経る毎に、さらに状況は悪化するだろう。大人しくDIAM高格付け、ダイワグローバル債券を検討した方が賢明だろう。