三菱UFJ Jリートオープン(3ヵ月決算型)/ 三菱UFJ投信

三菱UFJ投信/三菱UFJ Jリートオープン(3ヵ月決算型)
オススメ度:
1
運用会社:
三菱UFJ投信
商品名:
三菱UFJ Jリートオープン(3ヵ月決算型)
地域/決算:
日本 / 年4回
対象資産:
不動産投信
基準価額:
4,655円(2012年9月26日付け)
手数料:
2.0%(申込手数料 ※三菱UFJモルガン証券) 1.05%(信託報酬)

三菱UFJ Jリートオープン(3ヵ月決算型)は現在の先細りしている状況では!

この投信は、日本の不動産投資法人に投資し分配金を出す投信だ。昨今では、毎月分配型の投信が多い中で3ヶ月決算(年4回分配)という形式をとっている。分配履歴を振り返ると、3ヶ月毎に180円を出しており1ヶ月に平均すると60円ということになる。ただし、2011年10月までは210円を出しており、欧州債務問題(特にギリシャ・ポルトガル)で世界的に市場が冷え込んだ際に減額されたと分かる。今後も状況次第では150円や120円が視野に入ってもおかしくはない。

三菱UFJ Jリートオープン(3ヵ月決算型)の基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

基準価額は2011年から長期の下落トレンドを辿っており、上昇に転じる勢いは感じられない。その流れに沿うように純資産も減少しており、こちらも増加に転じる気配は見られない。個人投資家からの大きい新たな買い入れは無いのだろう。このまま先細りは決定的な状況だ。

一方、累積投資額(分配金再投資後の基準価額)は上昇している。市場が好調なのが要因だろうが、純資産が先細りすれば分配減額→伸び率鈍化もありうる。

三菱UFJ Jリートオープン(3ヵ月決算型)の上位構成銘柄及び不動産タイプ

投資しているリートの業種の構成比率だが、おそらく事務所というのはオフィスのことだ。現に「ジャパンリアルエステイト」「日本ビルファンド」とオフィスに特化したリートが名を連ねている。銘柄自体は他社と大きな相違は無いが、オフィスが占める比率は明らかに他社よりも大きい。これらの投資法人が首都圏オフィスを中心に投資しているため、他社よりも首都圏のオフィス空室率や賃料の状況に大きく左右されることになる。

投資比率がトップの「ジャパンリアルエステート」は、三菱地所・第一生命・三井物産が出資しているJリートで、首都圏のオフィスビルが大半を占めている。首都圏ではNTTコミュや三井住友カード東京本社が入居している汐留ビルディング、あおぞら銀行の本社跡地を再開発した北の丸スクエアがある。首都圏以外でも、大阪・神奈川・愛知・福岡の物件にも手を伸ばしている。ただ、利益は微増で成長力には疑問が残る。

今後の見通しだが、Jリート全体を表す指数はTOPIXよりも堅調に上昇している。2011年からの大規模案件の竣工ラッシュ、日銀の追加金融緩和も後押ししている。今後の2013年以降は新規の大規模案件の竣工は減少するが、住宅の消費税増税前の駆け込み需要や、首都圏オフィス需要の改善傾向などで、今後の相場の地合いは悪くはないはずだ。見通しは「三井住友Jリート」「東京海上Jリート」等も参照してほしい。

次に、他社のJリート型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額、手数料、信託報酬、利益、分配利回り等を比較した。「利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額」
加えて、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。

計算上での考え方は「前年比で基準価額がマイナス5%とすると、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額した場合、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」
※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

商品名 三井住友
J-REIT
リサーチ
東京海上
J-REIT投信
レアル
新光投信
J-REITオープン
DIAM
J-REITオープン
オーナーズ
三菱UFJ
J-REIT 3ヶ月
基準価額 6,028円 6,302円 5,063円 4,465円 4,655円
増減率 -2.8% -11.0% -5.7% -6.7% -9.4%
手数料 2.0% 3.0% 0% 1.0% 2.0%
信託報酬 1.05% 0.65% 0.68% 1.05% 1.05%
信託財産
留保額
0.5% 0.5% 0.5% 0% 0%
分配利回り 11.9% 22.2% 15.9% 12.4% 14.4%
3年分の
利益額
331,688円 630,997円 472,329円 361,635円 412,517円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,249,861円 1,335,637円 1,311,845円 1,174,127円 1,156,616円
最終予想
利回り
7.72% 10.13% 9.47% 5.50% 4.97%
Jリート型の投信の比較表(三井住友J-REITリサーチ・東京海上J-REIT投信レアル・新光投信J-REITオープン・DIAM J-REITオープン オーナーズ・三菱UFJ Jリートオープン(3ヵ月決算型))

上図の通り「三菱UFJ Jリートオープン(3ヵ月決算型)」は、他社Jリートよりも分配利回りは高めだが、基準価額が1年前の5,137円から現在の4,655円まで10%近く下落している。さらに、手数料・信託報酬も安価とはいえない数字で、最終予想利回りでは上図ではワーストの結果となった。分配金を減額せずに210円を維持していれば、パフォーマンスは1.2倍近くに跳ね上がっていたのだろうが。。。仮に分配金を維持していたとしても、その分だけ基準価額を削っていれば最終予想利回りは、大して差が無かった可能性が高い。

最後に結論だが、純資産が減少の一途の現在、今から購入するのはオススメできそうにない。毎月分配型ではないにせよ、分配重視の投信は純資産が大きいほど分配金が維持される期間が長くなる傾向があるためだ。現在保有中の人は、Jリート市場自体は好調を維持しているため、もう少し様子見をしてもいい。現在の累積投資額の上昇トレンドが、少しでも下向きに変わるようなら、そこがタイミングと割り切るという考え方だ。また、いずれ乗り換えるなら、今から思い切って他投信に乗り換えを検討するのも手だ。