MHAM J-REITインデックスファンド 毎月決算型 愛称:ビルオーナー/ みずほ投信投資顧問

みずほ投信投資顧問/MHAM J-REITインデックスファンド 毎月決算型 愛称:ビルオーナー
オススメ度:
3
運用会社:
みずほ投信投資顧問
商品名:
MHAM J-REITインデックスファンド 毎月決算型 愛称:ビルオーナー
地域/決算:
日本 / 年12回(毎月分配型)
対象資産:
不動産投信
基準価額:
7,070円(2012年9月26日付け)
手数料:
0%(申込手数料 ※ソニー銀行) 0.68%(信託報酬)

MHAM J-REITインデックスファンドは1年前より基準価額が上昇!

この投信は、Jリートに投資して分配金を出している投信だ。DIAM/新光投信のJリートと同様に、基準価額(分配金込み)は東証REIT指数と連動させている。Jリート指数は、2001年のスタートから着実に上昇してきたが、2007,2008年のサブプライム・リーマンで大きく下落し、その後は徐々に回復してきたが、欧州債務問題で下落し、そこから回復したら今度は震災と外部環境と内部環境に大きく左右されてきた。ただし、東証株価指数よりも堅調に上昇しているのは確実で、その点で評価できる。さて、この投信の分配履歴は、過去1年で毎月50~70円で、2012年3月より50円に減額している。状況は厳しそうではある。

MHAM J-REITインデックスファンドの基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

累積投資額(分配金込み基準価額)は東証REIT指数と連動し、2012年2月の日銀買い入れに呼応して上昇し、一旦は外部環境の悪化(米国・中国の経済失速)で下落したが、その後は再び上昇に転じている。現在も概ね上昇基調にある。直近でも東証リート指数は東証株価指数よりも強い動きを見せているため、上昇の期待はある。一方で基準価額は分配金を出し続けている割に大きく下落していない。純資産は増加に転じる動きは見られず、状況次第では、さらなる分配減額の可能性がある。

MHAM J-REITインデックスファンドの運用資産タイプ及び上位組み入れ銘柄

上位の組み入れ銘柄だが、リート指数と連動させているため、時価総額の大きい2つの投資法人がワンツーを占めている。2つの法人はオフィスを中心に投資しており、2001年のJリート誕生から市場を支えている存在だ。その他の銘柄でも他社比較して目立った特色は見受けられない。

投資する不動産のタイプ別では、オフィスの比率が高い。しかし、全体の30%という比率は、40%を超えている他社Jリート型の投信も存在している点を考慮すれば、決して高すぎるということはなく、むしろ少し低めともいえる。。

Jリート指数の推移・投資主体別売買動向・分配総額など

今後の見通しだが、重ねてになるが、この投信が連動している東証リート指数は、東証株価指数(トピックス)よりも堅調だ。それを見越してか、Jリートを購入している投資部門の推移(左図)を見ると、投信・銀行の買い入れが目立つ。特に銀行は日銀の超低金利政策が継続される中で、パフォーマンスの良いリートにも資産を割り振って利益を出そうとしているのだろう。また、金融緩和策を打ち出している日銀の買い入れも目立つが、以前として海外投資家の動きは微妙だ。大量に買い越した数ヶ月後には、ほぼ全てを売るような動きだ。短期的な投機筋が動いているだけの可能性が高そうだ。

また、2001年からのリート市場の分配総額だが、2011年には1兆円を突破し、市場での存在感を高めつつある。分配金の平均利回りも5%前後維持している。長期で、これだけのパフォーマンスを維持し続けているのは、株式にしろ債券にしろ滅多にお目にかかれない。市場全体のパフォーマンスが良好というのは間違いない。

次に、他社のJリート型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額、手数料、信託報酬、利益、分配利回り等を比較した。「利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額」
加えて、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。

計算上での考え方は「前年比で基準価額がマイナス5%とすると、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額した場合、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」
※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

商品名 三井住友
J-REIT
リサーチ
東京海上
J-REIT投信
レアル
新光投信
J-REITオープン
DIAM
J-REITオープン
オーナーズ
MHAM
J-REITオープン
ビルオーナー
基準価額 6,028円 6,302円 5,063円 4,465円 7,070円
増減率 -2.8% -11.0% -5.7% -6.7% +0.8%
手数料 2.0% 3.0% 0% 1.0% 0%
信託報酬 1.05% 0.65% 0.68% 1.05% 0.68%
信託財産
留保額
0.5% 0.5% 0.5% 0% 0.5%
分配利回り 11.9% 22.2% 15.9% 12.4% 7.8%
3年分の
利益額
331,688円 630,997円 472,329円 361,635円 229,197円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,249,861円 1,335,637円 1,311,845円 1,174,127円 1,253,341円
最終予想
利回り
7.72% 10.13% 9.47% 5.50% 7.82%
Jリート型の投信の比較表(三井住友J-REITリサーチ・東京海上J-REIT投信レアル・新光投信J-REITオープン・DIAM J-REITオープン オーナーズ・MHAM J-REITインデックスファンド)

上図の通り「MHAM J-REITインデックスファンド」は、分配金が少ないため分配利回りこそ低いが、基準価額は1年前の7,014円から、現在の7,070円まで僅かながら上昇している。他社が軒並みマイナスで、さらに同様に東証リートインデックスと連動している新光投信のJリートでもマイナスになっている中では驚異といえる。そのため、分配金をカバーして最終予想利回りは8%近い数字となった。信託報酬が他社より0.3%安価になっている点や、申し込み手数料が最安値で0%というのも利益の押し上げ要因だ。また、上図では割愛したが、累積投資額(分配込みの基準価額)の騰落率でもプラス3%と、他社の2~3%とヒケをとらない数字になっている。数字面ではなかなか優秀といえる。

最後に結論だが、基準価額が連動する指数が好調のため、その点では安心感があり悪くなさそうだ。ただ、分配金額が他社より少額なため、分配金を老後の小遣いにしたい人には物足りないないかもしれない。とはいえ分配金が多額でも、その分だけ基準価額(資産)を削っているため、トータルで考えれば利益は大きくない投信が世にはびこっている。決算の書類で分配金以上に購入した際の金額が減少しているようなケースも多い。その点では、この投信は資産を削らずに分配金をだしている(はず)数少ない投信で、本来の資産を増やすための資産運用に近い。もちろん、これからの市場環境次第ではマイナスになる可能性もあり、純資産額が三井住友の4分の1程度、東京海上・新光Jリートと比較しても半分程度という不安もある(純資産が大きいほど毎月分配型は分配金を維持できる可能性が高い。純資産が大きくとも減少していれば意味は無いが)。そのあたりの不安要素を容認できるなら購入しても悪くない投信だ。