投信・預金/資産運用 解説・用語集
不動産投資信託は本来はミドルリスク・リターンだが?
不動産投資信託とは、主にオフィスビルや賃貸マンションや物流施設などに投資し、その賃貸収入を収益にして運用している投資信託である。米国で誕生した仕組みであり、米国では「REIT(Real Estate Investment Trust)」と呼ばれており、日本でも不動産投資信託よりも英名のリートという名称を使用することが多い。
現在、個人投資家が購入できるリートには、海外のリート(主に米国の不動産に投資しているUSリート)と日本国内の不動産に投資しているJリートがある。後者には、株式取引と同様に証券市場に上場しているJリートと、複数のJリートを組み合わせたJリート型の投資信託がある。上場しているJリートは証券会社を通じて時価で売買できるが一部の銀行を除いては銀行では取引できない。Jリート型投信の場合には証券会社でも銀行でも取引が可能となっている。
また、一般的に株式投信がハイリスク・ハイリターン、債券投信がローリスク・ローリターンと言われているが、リートは中間のミドルリスク・ミドルリターンと言われており、中庸を好む個人投資家からも人気がある。なぜミドルリスクかというと、リートの収益の源泉である賃料は、株価ほど値動きは荒くないためである(突然、賃料が10倍になったり、保有する不動産価格が10倍になることはない)。
ただ注意したいのが、昨今の債券投信もリートも海外に投資しているものが多い点だ。それらは為替変動の影響(特に円高になった場合の損失)は大きく、一概にリスクを3段階に分けるのは安易といえる。さらに、リートには不動産に対する法規制、自然災害でも特に地震・耐震性の問題に加え、現在のJリートは首都圏の物件に投資しているリートが多く地理的リスクが内包している等、リート独自のリスクがある点も覚えておく必要がある。