投信・預金/資産運用 解説・用語集

ファンド・オブ・ファンズは信託報酬が高くなる代わりに!?

ファンド・オブ・ファンズとは、他の複数のファンドを組み入れて運用する投資信託を意味する。ファンド・オブ・ファンズは投信協会のルールによって「1つのファンドへの投資比率は50%を超えてはならない」と定められており、最低でも2種類以上のファンドに投資していることになる。

通常は、個人投資家が支払う信託報酬は、購入した投信に対してのみだが、複数のファンドが運用しているため信託報酬が投資対象のファンドにも掛かってくる。そのためファンド・オブ・ファンズは2重3重に信託報酬を徴収することになり、信託報酬が高額になりがちである(例えば購入する投信の信託報酬が普通なら1.0%でも、投資対象のファンドが1.0%なら合計で2.0%となる)

また、ファンド・オブ・ファンズには他社が運用するファンドに投資するタイプと、自社が運用する他のファンドに投資するタイプの2つがある。これは、ファンド・オブ・ファンズが2重に信託報酬を徴収していることにも関係する。投資対象となるファンドの信託報酬は、他社ファンドでも低めに抑えられているケースが多い。だが、自社の投信なら更に費用は抑えられるため、類似の投資方針なら自社投信を選んだ方がコストが抑えられる。もちろん、運用会社としては、可能な限り信託報酬を自社に収めて利益を上げたいという側面も否定はできないが。。。

また、当然ながら信託報酬の2重取りは、個人投資家にとっては利益が減るため死活問題となるが、それに見合ったメリットもある。その1つが、そもそも運用のプロである運用会社が、自らよりも優れていると認めて選別したファンドに投資できる点だ。これで個人投資家が時間をかけてファンドを選ぶ手間が省ける。

2つ目に、基本的には各々の専門分野(ベンチャーや新興国など)に強いマネージャーが運用する投信を組み入れるため、運用会社を含めて通常よりも更に分散投資ができる点も見逃せない。運用会社・ファンドマネージャーの腕前(成績)も分散投資できるということになる。諸費経費が高いからと言って、無下に敬遠せずに、十分に検討する余地のあるタイプの投信と覚えておいた方がいいだろう。