所得税の概要と仕組み(税率・控除・計算など)

理容・美容・アパレルで減価償却できる物と、その耐用年数は??

所得税額は年収ではなく所得額を元に計算され、所得は収入金額から必要経費を差し引いた額で算出される。必要経費として購入した物品が高額であれば、減価償却することで経費を平準化することができる。

減価償却できるものは限定されており、物品毎に耐用年数も決まっている。一般的に耐用年数が長いほど有利とされている。それは耐用年数が長いほどに、既に支払った金銭を経費として算入でき、税申告の上での見かけの利益が圧縮され節税できるためだ。それでは、理容・美容・アパレルに関するもので減価償却できるものには何があり、その耐用年数は何年なのか?

まず理容・美容機器で減価償却できるものは一括りにされており、耐用年数は5年となっている。この中には美容室・理容室でいえばシザーズのような小物から、パーマ促進器や各種プロセッサーなどが含まれ、エステなどでいえば脱毛機器・痩身機器・マッサージ機器などが含まれる。

理容・美容機器・美容室に関する減価償却できるもの(パーマ促進器・看板・マネキン・接客用家具・室内装飾品・観葉植物など)と耐用年数

それ以外では、看板・ネオンサインは耐用年数が3年、マネキン・模型は耐用年数が2年となっている。店名を示す看板・ネオンサインについては、昨今ではデジタルサイネージ(電子看板)で代用する店も増えてきたが、この場合も家電・電化製品ではなく看板として扱って耐用年数は3年と考えるのが妥当だろう。

その他ではスタイリングチェア(カットチェア)などは、家具でも事務用・応接室用ではないため、その他の家具で接客用に該当して耐用年数は5年となる。主に金属製であると考えられるなら耐用年数は15年にもできる。室内装飾品でも金属製なら耐用年数は15年、その他のプラスチック製などは耐用年数は8年となっている。

また、観葉植物を店内に設置していれば、そちらも減価償却の対象となり耐用年数の15年は減価償却ができる。ただし、基本的に減価償却するものは10万円以上のため、観葉植物が数個であれば減価償却するまでも無いともいえる。ただ、ホテルのエントランスなどにあるような高額な観葉植物、ないしは希少性のある植物を飾るようなら減価償却でメリットが無くはない。ちなみに、貸付業用(観葉植物のレンタル会社・リース会社)だと、耐用年数は一気に縮まり2年となるため注意したい。

ちなみに理容・美容で不可欠になりつつあるパソコンの耐用年数は4年で、パソコンにインストールするソフトウェアも減価償却ができる。開発して販売するソフト・研究開発用のソフトだと耐用年数は3年だが、その他のソフトだと耐用年数は5年になる。カットモデル・顧客整理・出勤管理などでソフトウェア・システムを購入したなら、減価償却を検討してみる価値はある。

以上が減価償却できる物と耐用年数(理容・美容・アパレル編)だが、確定申告などでは判断に迷う・困ることもあるだろう。そういった場合には、無料で利用できる自治体主催の確定申告相談会(税金セミナー)や、税理士の無料相談を利用して誤りのないようにしたい。また、計算ミスを防ぐ意味で電卓を叩くのではなく、弥生(やよい)などの青色申告の計算ソフトを利用するのも手だ。