勤労学生控除と税金

苦学生・バイトをしている学生は忘れずに勤労学生控除を!

所得税は税引き前の年収(給料)に直ちに課税されるわけではない。年収から所得控除を差し引いて課税所得金額を算出してから、その額に応じた税率で課税される。勤労学生控除も所得控除の1つであり、勤労学生控除により課税される所得が減り節税ができる(所得控除については所得控除って何?を参照)

さて、所得控除の中でも勤労学生控除は、勤労学生が利用できる。その条件は、給与所得などの勤労による所得があり、かつ勤労によらない所得(利子所得・配当所得・譲渡所得・一時所得)が10万円以下であり、その合計が65万円以下であることが条件とされる。

具体的には勤労にはアルバイトによる収入などが含まれ、勤労によらない所得にはFXや株式取引・不動産取引・競馬の払戻金などが含まれる。ただ、アルバイトで年間65万円以下となると、バイト収入は1ヶ月5万円程度に制限されるため、苦学生ほど控除が利用し難いかもしれない。

また、FXや株式取引も努力が無いとはいえないが勤労学生控除は利用できない。逆に、FX・株式取引による利益は課税の対象となり、競馬の払戻金は一時所得として課税される。控除どころか課税の対象となるため注意が必要だ。

それでは勤労学生控除の額の計算方法だが、雑損控除・医療費控除とは異なりシンプルで如何なる学生も勤労学生控除で控除されるのは27万円までとなる。ちなみにバイトで年間50万円の収入があると、所得税で2.5万円が差し引かれる(正確には給料から天引きされる)。勤労学生控除を利用すると課税所得は23万円となり、本来支払う所得税は1.15万円となる。結果的に差額である約1.3万円が還付される計算が立つ。

以上が勤労学生控除についてだが、前述の通り控除を利用しても得する額は大きくはない。日給1万円のバイトなら、上限を気にせず働いた方がいいだろう。勤労学生控除という名称ながら、むしろ実家暮らしなどでバイトに本腰を入れていない学生の方が控除を検討すべきといえそうだ。