投信・預金/資産運用 解説・用語集

食料/農作物関連ETF

食料/農作物関連ETFとは、特定の指数に連動するように設定されているファンド(ETF)の中でも、とりわけ食料品・農作物の価格に連動するETFである。コモディティ(商品)の価格に連動するETFでは、エネルギー類(原油・天然ガス等)や貴金属(金・プラチナ)が主力であったが、食料/農作物ETFに近年では注目が集まっている。

従来、コモディティは先物取引が必要になり、手元資金(証拠金)の10倍20倍の額を取引(レバレッジ)できる分だけ、個人投資家にとってはリターンも大きいがリスクも大きかった。しかし、ETFにすることでレバレッジは効かずリスクを抑えられるようになった。そのため今までは手が出せなかった個人投資家が、リスクヘッジ・分散投資の一環として利用し始めている。

また、食料に注目が集まっているのは、先物取引を利用せずに売買ができる点以外に、新興国の都市化・工業化に伴った世界的な食糧価格の上昇が見込まれていることもある。例えば、中国は急速な都市化・工業化によって農業をする人が減少している。ただ、中長期的な流れはあれど、天候による豊作・不作でも短期的に価格は大きく変動する。さらに、トウモロコシのような食糧であると同時に、飼料・エネルギー原料でもある農作物は、突発的な側面からの価格変動もあるため非常にハンドリングが難しい(例えば、バイオエタノールが推進される政策が米国で発表されてから、その原料であるトウモロコシの価格は暴騰した)。個人投資家としては、購入商品としての優先度は低めに考え、投資金額は極めて小額に抑えた方が賢明だろう。現在、食料に投資するETFには「ETFS農産物商品指数」「ETFS穀物商品指数」「ETFS小麦上場投信」「ETFS大豆上場投信」「ETFSとうもろこし上場投信」などが存在している。