損害保険 解説・用語集
待機期間なしのペット保険はない?
ペット保険には、保険の申込から契約開始して、実際に補償が開始されるまでの待機期間(保険が適用されない期間)が約30日程度存在する。これは、既に病気があるにも関わらず保険に加入して、ろくに保険料を支払わずに保険金を受けとることを、保険契約者全体の公平の観点から防ぐためだ。これは何もペット保険に限った話ではなく、人間が対象であるガン保険にも同様の待機期間(こちらは90日間)が存在している。
ただ、交通事故などによる突発的なケガの場合には、待機期間に関係なく保険金は支払われる。これは保険契約者による不正の可能性が極めて低いためだ(わざわざ自分のペットをケガさせる人はいない)。
とはいえ、年1回の健康診断も受けていて、本当に飼い主も知らずに偶然にも待機期間中にペットが病気になる可能性はある。非常に低い可能性ではあるが、その場合、保険会社が待機期間を設けていれば泣き寝入りするしかない。さらに、待機期間中も保険料は発生しているため、僅かな額では損をしているのも間違いない。
もしも、待機期間中の病気が不安、待機期間中の保険料を節約したいなら、待機期間のないペットを選ぶしかない。ただ、現状では両者を解決する待機保険のないペット保険は存在しない。PS保険は、待機期間が存在しないと銘打ってはいるが、実際には待機期間中の保険料が節約ができるだけで、実質は待機保険(申込待機期間のようなもの)が存在している。なぜなら、申込日の翌々月の1日から保険が開始されるだけで、実際に保険が開始されるまでは保険が利用できない。もしも、本当に待機期間が存在しないなら、ペットが病気かもしれないと分かった人がPS保険に殺到して、あっという間に破綻してしまう。それでも、保険料が節約できる意味では、十分にPS保険の取り組みは評価できる。
以上のように、本当に待機期間が存在しないペット保険は存在しない。前述のように少しでも保険料を節約したいならPS保険だが、それ以外にも保険金の請求方法、定率か実額か等、他に考慮すべき点は多く存在する。目先の節約に惑わされず、ペットのために最善の判断をするのが賢明だ。