損害保険 解説・用語集
豪雨は増えている?(豪雨の状況)
火災保険においては、火災だけでなく風水害(地震による風水害は除く)も補償の対象となる。それでは、水害の元となる豪雨は増えているのだろうか? 2012年分の統計をまとめた気象庁の「気候変動監視レポート」を見るに、日本における豪雨は近年は確実に増加傾向にある。
まず上図の左上のグラフだが、日本における年間の降雨量は1920年と1950年に多雨期があり、その間は少雨期といった傾向があった。しかし、高度成長期末の1970年からバラつきが見えている。多雨の年と少雨の年が数年置きに入れ替わっている。このように年間降水量にはバラつきがあるにも関わらず、豪雨(異常多雨)は緩やかな増加傾向(右上のグラフ参照)にある。
実際、日本全国1,300箇所に設置された無人観測施設「アメダス」では、1日の降雨量が200ミリ・400ミリを超えた豪雨の日数は増加している。降雨量が200ミリ・400ミリというと、もはや滝のような状態だ。そして、その日数は1990年代と2000年代を比較すれば2倍に膨れ上がっている。確実に豪雨の日数は増えている。
とはいえ、風水害(洪水など)による被害状況は微増に留まっている。詳細は「台風・洪水の状況」も参照してほしいが、確実に豪雨のよる災害への対策も進んでいるといえよう。そのため過度に悲観をする必要はない。ただし、最終的には自分の財産は自分で守らなければならない。集中豪雨に対して浸水対策はもちろん、最終的に床上浸水となった場合を考えて火災保険に加入しておくのは決して無駄ではないといえる。