デュアルカレンシー債のリスクとメリットと税金

デュアルカレンシー債のメリットとリスクと2016年以降の税金は!?

デュアルカレンシー債は、デュアル=二重、カレンシー=通貨という意味で、2つの通貨建ての債券を意味する。基本的に個人投資家が支払う際には日本円、債券の発行体からの利子の支払いも日本円だが、元本の償還は外貨建てで行われることが多い。それでは、このデュアルカレンシー債には如何なるメリットとリスクがあり、そして如何なる税金が課せられるのだろうか?

まずメリットとしては、円建て外債(サムライ債)と比較して、償還金も利払いも利率が高い点が挙げられる。これはサムライ債では債券の発行体が為替リスクを全て負っているのに対して、デュアルカレンシー債は個人投資家が一部の為替リスクを負っていることが大きい。

それにも関連するが、第2のメリットとしては為替差益が挙げられる。デュアルカレンシー債の場合は、普通の外債と同じく利子は日本円で受け取るため為替差益はないが、満期で受け取る償還金は外貨のため為替差益が出る可能性がある。とはいえ、購入時よりも円安になれば為替差益となるが、円高なら為替差損となる。メリットでもある反面、デメリットでもある点を忘れずにおきたい。

逆にリスクとしては、前述した償還金の為替差損の他に、債券発行体の国・企業が債務不履行となり、利子・償還金が受け取れない可能性が挙げられる。国が債務不履行などとは考えられないかもしれないが、債務不履行は最近ではギリシャ・アルゼンチン・カメルーンなどが挙げられる。下図は債務不履行をした国の一部だが、1990年代も入れれば相当の数になる。自分が購入する国には無関係とは考えない方がいい。

債務不履行した国の一覧表(一部抜粋)

その他に、自由に満期前に中途売却が難しいという流動性リスクがある。そもそも出九アルカレンシー債が流通していないこともあり、個人的に売却するのは困難で証券会社を通じることになるが、それでも安く買い叩かれる可能性がある。個人投資家が満期前に何かしらの理由で資金が必要となった場合に、資産の売却を検討するならデュアルカレンシー債はリストの最後尾に近い場所にあるのは間違いない。

税金に関しては、政府の「金融所得課税の一体化」により2016年1月より大きく変更された。受け取る利子は従来は有無を言わさず源泉徴収で、個人投資家に渡る前に証券会社で約20%が差し引かれていたが、2016年以降は特定口座で取引すれば源泉徴収、そうでなければ確定申告が必要になった。

2016年以降の公社債と公社債投信の課税関係(所得・申告・損益通算など)と変更点

満期まで保有して受け取る償還金は、円安が進行していれば為替差益が発生するが、その利益は雑所得ではなく譲渡所得として課税される。特定口座でなければ確定申告が必要なのは利子と同様だが、その損益は株式・投信などと損益通算ができるようになった。デュアルカレンシー債以外でも資産運用しているなら利用しない手はない。

以上のように、サムライ債よりもリスクもあるがリターンは大きいといえよう。個人投資家としては、何にせよ償還時の為替レートが問題となるため、その点に神経を注いで投資することになろう。税金面では他の債券と比較して有利・不利はないが、2016年の変更で他資産と損益通算ができるようになった点は注目だ。デュアルカレンシー債で大きな損失があれば、株式・投信で支払った税金が還付される可能性がある。税金の計算は比較的容易ではあるが、もしも不安があるなら最寄の税理士の無料相談を利用するか、税理士主催の無料の相談会や各自治体の無料の税金セミナーに行くのも手だろう。