地方債のメリット・デメリットと税金

地方債のメリット・デメリットと2016年以降の税金を知る!

地方債は、国ではなく都道府県・市町村などの地方公共団体が発行する債券で、個人でも全国型市場公募地方債・住民参加型ミニ地方債などが購入できる。国債よりも信用度は若干劣るが利率が高く、利益という意味では魅力がある。それでは地方債のメリット・デメリットと、課される税金は何だろうか?

まずメリットだが、個人向け国債と同様に1万円と少額から購入可能で、国ではないが地方自治体である以上は信用度は企業よりも遙かに高い。一応、直近50年の間では1992年の福岡赤池町、2006年の北海道夕張市が財政破綻(財政再建団体)となった事例があるが、それでも破綻するのは稀有なケースといえよう。

そして、前述したように国債よりも金利が高いのが最大のメリットといえるだろう。個人向け国債の固定金利3年ものが0.05%、固定金利5年ものも0.05%に対して、地方債で2年ものが0.06%前後、5年もので0.11~0.17%となっている。前者は見た目の金利に差はないように見えるが償還までの期間が1年短く、後者は2~3倍の利率になっている。地方自治体によって利率に差はあれど、魅力的な数字といえよう。

地方債の利率(10年もの地方債・5年もの地方債を個人向け国債との比較表)

上図は平成27年度に発行された地方債の一部だが、都道府県だけでなく政令指定都市(大阪市・千葉市・横浜市・名古屋市・札幌市・福岡市など)でも発行されている。ふるさと納税だけでなく、こういった形で地元貢献するという方法もありそうだ。

他方でデメリットとしては、個人向け国債のように中途売却する際に国が買い取るといった仕組みがなく、自由に売却できない流動性リスクが挙げられる。もちろん、地方公共団体が買い取らなくても証券会社・銀行などが買い取ってくる可能性はある。だが、彼らからしても転売が容易ではないため、彼らに売却すると思った以上に安く買い取られる(買い叩かれる)可能性がある。国債以上に満期まで保有するのが重要となる。

そして税金だが、地方債の利子で得た利益は利子所得となる。ただし、2016年1月から利払い時(利子を受け取る際)に約20%分の税金が差し引かれるのは特定口座のみで、特定口座を利用しなければ申告分離課税となり確定申告が必要になる。とはいえ利子所得だけなら確定申告は不要で手間はかからない。償還時に受け取る償還金(取得額と償還金額の差し引きでプラス)で得た利益は、2015年までは非課税だったが、2016年1月以降は約20%の所得税が課税される。こちらも特定口座でなければ確定申告が必要になったため注意したい。

2016年以降の公社債と公社債投信の課税関係(所得・申告・損益通算など)と変更点

また、債券のため「マル優制度」で、障害者等に該当する人( 遺族年金を受けている妻※母子家庭など、身体障害者手帳の交付を受けている人など)は、合計額が350万円までの国債の利子は非課税となる。さらに利子所得の源泉分離課税制度により、どれだけ公社債の利子で収入があろうとも、配偶者控除の対象からは外れない。38万円以下の括りの中に利子所得は除かれるため、控除が気になる人は検討の余地ありだ。

以上のように地方債はメリットもあるが、一点デメリットもあるため注意したい。他方で税金に関しては、2016年に大きな変更があったが、これ移行の改正の予定は無いため注意点は少ない。とはいえ、何かしら間違いがあると後々が面倒なため、不安なら最寄の税理士に無料相談するか、税理士主催の無料の相談会や各自治体が催す無料の税金セミナーに行って確認してもいいだろう。