PIMCOニューワールド円インカムファンド/ 三菱UFJ投信

PIMCOニューワールド円インカムファンド
オススメ度:
3
運用会社:
三菱UFJ投信
商品名:
PIMCOニューワールド円インカムファンド
地域/決算:
新興国 / 年12回(毎月分配型)
対象資産:
債券
基準価額:
11,249円(2012年10月26日付け)
手数料:
3.0%(申込手数料 ※丸三証券) 1.54%(信託報酬)

PIMCOニューワールド円インカムファンドは分配金は少ないが優秀!

この投信は、主に米ドル建てで格付けは低いが利回りが高い新興国ハイイールド債券に投資して、分配金を出している。他社ハイ債型投信は新興国通貨(レアル・豪ドル・ランド等)で為替ヘッジをしているが、この投信は為替ヘッジはかけていない。また、新興国だけでなく先進国でも格付けが低い社債も投資対象に含めている。過去1年の分配金履歴は35円であった。設定されたのが2011年と歴史が浅いため、今後も維持できるかはファンドマネージャーの腕と経済情勢次第だ。

PIMCOニューワールド円インカムファンド の基準価額及び純資産の推移チャート

基準価額だが、JPモルガンの新興国債券の指数(EMBIグローバルダイバーシ)に連動している。そのためか他社のハイ債型投信と異なり、かなりの右肩上がりで上昇を続けている。累積投資額も上昇の一途で非常に心強いチャートだ。

純資産も他社と異なり、右肩上がりで増加し天井が見えない伸びを見せている。指数が上昇していることもあろうが、設定から間もないため投資家からの買い入れもあると踏んでいいだろう。そのため、これからも同様ペースでの増加があるかは疑問だ。

PIMCOニューワールド円インカムファンド の国別比率及び上位構成銘柄

投資対象の債券の格付けだが、ハイ債に投資すると謳っているだけあって平均でトリプルBと格付けは低い。ただ、トリプルAの債券も組み入れられているのは弱気過ぎる気もするが。。。国別比率では大半の他社ハイ債がロシアがトップの中で、ブラジルがトップになっている。次いでロシア・インドネシア・メキシコ・トルコと他社同様の国が並ぶ。

個別銘柄では国債ではなく社債がトップになっている。トップの「Petrobras(Petróleo Brasileiro)」はブラジルの国営石油企業で、次位の「GAZ CAPITAL SA(GAZPROM)」はロシアの天然ガス企業で天然ガスだけでいえば世界最大規模の企業だ。3番手の「PETROLEOS MEXICANOS(Pemex)」はメキシコ国営の石油企業と、エネルギー関連会社への投資比率が高いのは確実だ。

原油価格の推移・需要動向及びロシアと資源価格の相関性

投資比率が高い資源についての見通しだが、まず原油価格は2011年後半の欧州問題、2012年春の中国経済失速の時期に大きく下落しており、左図右上と照らし合わせると、その時期に各地方の需要が明らかに後退している。ただし、実態的な需要ではなく投機マネーで50%前後も左右される。特に原油は中東諸国の政治情勢(先般の欧米諸国のイランへの経済制裁など)でも大きく動き不安定極まる。

その原油・天然ガスに依存するロシアだが、左図右下の通り株価と原油価格が連動するほど依存している。資源がある限りは磐石にも思えるが、ロシア単体で見ると天然ガス生産量は米国に抜かれている。これはシェールオイル革命(シェール層からオイルを抽出する技術が進展しガス価格と相まって採算がとれるようになり生産量が急増)もあり厳しい状況にある。前述のGAZPROMも危機感を表して値下げに走るなど、情勢を読むのは非常に難しい。。。

次に、他社の新興国ハイイールド債型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・信託報酬・利益・分配利回り等を比較した。「利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額」
加えて、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。
計算上での考え方は「前年比で現在の基準価額がマイナス5%の場合、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額するとすると、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

商品名 野村
グロハイ債
資源国通貨
三菱UFJ
新興国債券
レアル
大和住銀
エマージングボンド
レアル
新興国債券
ファンド
豪ドル
PIMCO
ニューワールド
円インカム
基準価額 6,275円 7,836円 7,455円 11,213円 11,249円
増減率 -5.0% -17.6% -13.0% -1.8% +9.3%
手数料 4.0% 3.0% 0% 3.0% 3.0%
信託報酬 0.78% 1.52% 1.48% 1.52% 1.54%
信託財産
留保額
0.5% 0% 0.5% 0% 0%
分配利回り 18.3% 29.1% 16.2% 19.9% 2.2%
3年分の
利益額
505,305円 843,236円 481,787円 566,512円 65,810円
100万で
3年運用
※基準価額
増減考慮
1,361,615円 1,401,780円 1,139,821円 1,512,616円 1,341,888円
最終予想
利回り
10.84% 11.92% 4.46% 14.79% 10.30%
新興国ハイイールド債型投資信託の比較表(野村グローバル・ハイ・イールド債券投信・三菱UFJ新興国債券レアル・大和住銀エマージングボンドレアル・SMBC日興ニューワールド債券・PIMCOニューワールド円インカム)

上記で「PIMCOニューワールド円インカム」を比較したが、基準価額が1年前より大きく上昇しているのが特徴だ。1年前の10291円から2012年10月の11,249円まで10%近い上昇を遂げている。他社は基準価額を削って分配金を出しているが、この投信は分配金は抑えて、基準価額の上昇に充てている可能性が高い。とはいえ分配利回りでも2%を保持している。無いよりはマシ程度だが、トータルで考えれば他社にヒケを取らない運用になっており、数字を総合した最終予想利回りでも10%前後を確保している。ちなみに、手数料・信託報酬といった諸経費に関しては安価ということはなかった。

結論としては、分配金をお小遣い代わりに利用したい人でなければオススメだ。そもそも基準価額を削ってでも毎月分配金を受け取るのは税金面から考えて不利だ。分配金は大きく出ずとも、確実に資産は増加していれば良いと考えられれば、この投信は優秀といえよう。もちろん、利益を確定したい時、現金が欲しい時には解約できる(ただし解約してから換金されるまで日数を要する場合があるため、余裕を持った解約をオススメするが)一方で、毎月分配金を受け取りたい人は、三菱UFJ新興国債券レアルなら受け取れる分配金(分配利回り)は大きいが、実際には大きく資産を削っているため、大和住銀の新興国債券豪ドルの方が安定度でも優秀なためオススメしたい。