野村グローバル・ハイ・イールド債券投信(バスケット通貨選択型) 資源国通貨コース(毎月分配型) / 野村アセットマネジメント

野村グローバル・ハイ・イールド債券投信(バスケット通貨選択型) 資源国通貨コース(毎月分配型)
オススメ度:
4
運用会社:
野村アセットマネジメント
商品名:
野村グローバル・ハイ・イールド債券投信 資源国通貨コース(毎月分配型)
地域/決算:
新興国 / 年12回(毎月分配型)
対象資産:
債券
基準価額:
6,275円(2012年10月26日付け)
手数料:
4.0%(申込手数料 ※野村證券) 0.78%(信託報酬)

野村グローバル・ハイイールド債券投信は米・欧州・新興国のハイ債に分散!

この投信は、新興国・米国・欧州の債券に投資して分配金を出す投信だ。投資する債券は格付け(信用力)が低いため高利回りでハイリターンを狙えるが、デフォルト等のリスクも伴っている。さらに、この投信は資源国通貨での為替ヘッジも行っており、円に対して資源国通貨が上昇(円安)等で為替差益が得られる。資源国通貨として組み入れられているのは、豪ドル・ブラジルレアル・南アフリカランドとなっている。過去1年の分配金履歴では、2010年から毎月140円であったが、2012年10月から100円に減配された。その主な理由は、ハイ債の利回り低下(利息収入の減少)と円高の進行が挙げられている。 ただ、他の通貨コース(円・アジア通貨)は減配されていない。

野村グローバル・ハイ・イールド債券投信(バスケット通貨選択型) 資源国通貨コース(毎月分配型)の基準価額及び純資産の推移チャート

さて、基準価額は2011年末のギリシャ債務問題で大きく下落し、2012年2月の日銀の追加緩和で上昇したが、その後は米国・中国経済失速懸念で上昇分を相殺してしまった。その際に豪ドルが74円台に突入するなど為替の影響もあったが、その後79-82円で安定しており、基準価額も横ばいをキープしている。累積投資の基準価額でも上下はあるが、上昇し切れない印象だ。

純資産は漸減しており、このまま減少するようなら分配金減額も危惧されるが、純資産額の約5,700億円は未だにハイ債型の投信では三菱UFJの新興国債券ファンドと並びトップ規模を誇っている。

野村グローバル・ハイ・イールド債券投信(バスケット通貨選択型) 資源国通貨コース(毎月分配型)の国別・上位構成銘柄

この投信の資産内容だが、国別では米国・欧州・新興国で3割ずつの配分で、全体の8割を社債が占めている。各企業の業績に大きく影響を受けることになるのだが、企業の業種は金融・通信・エネルギー・工業で約50%となっている。特に金融業への投資比率が高く、金融業の景況に大きく左右されると分かる。

上位組み入れ銘柄では、トップがオランダを拠点とする通信会社「UPC Holding」、次いで西ヨーロッパのルクセンブルク大公国を拠点として2,000万人超の顧客を持つ通信会社「WIND」、ベネズエラを拠点とする世界トップ10に入る国営の石油・天然ガス会社「PETROLEOS VENEZ(Petróleos de Venezuela)」が並んでいる。不思議なことに、組み入れ銘柄のトップ3に金融銘柄が入っていない。おそらく投資比率を抑えて各社に分散して投資しているのだろう。

新興国債券の見通し(格付け・利回りの推移等)

図は、この投信と各エリアの債券利回りを比較したグラフだ。債務問題で欧州のハイ債の利回りは上昇したが、2011年以降は米国と新興国の債券利回りは低下している。これは世界的に株式ではなく債券に資金が流入したためで、その結果、この投信の利息収入は減少した。債券利回りが低下したことで、債券価格が上昇し基準価額にはプラスに働くのだが、分配金を出す以上は利息収入減の方が痛い。さらに、新興国の財政は資源高の影響もあり良好で、格付けも上昇の一途だ。今後も債券に資金が流入する状況が続くと見られ、その意味では債券型投信には厳しい状況が続きそうだ。

さらに、米国では債券人気に乗じて、投資ファンドが買収した企業に社債を発行させ、社債で得た資金を配当として回収するという裏技的な投資も散見される。例えば、倉庫型の小売店のBJ'sホールセールクラブを28億ドルで買収したファンドは、同社に16億ドル分の社債を発行させ、その中から6.4億ドルの配当を得ている。投資利回りで23%を荒稼ぎした格好だ。規制があってしかるべき投資手法だが、債券人気の一つの影ともいえるだろう。

次に、他社の新興国ハイイールド債型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・信託報酬・利益・分配利回り等を比較した。「利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額」
加えて、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。
計算上での考え方は「前年比で現在の基準価額がマイナス5%の場合、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額するとすると、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

商品名 野村
グロハイ債
資源国通貨
三菱UFJ
新興国債券
レアル
大和住銀
エマージングボンド
レアル
SMBC
日興ニューワールド
債券
新興国債券
ファンド
豪ドル
基準価額 6,275円 7,836円 7,455円 6,973円 11,213円
増減率 -5.0% -17.6% -13.0% -10.2% -1.8%
手数料 4.0% 3.0% 0% 3.5% 3.0%
信託報酬 0.78% 1.52% 1.48% 0.99% 1.52%
信託財産
留保額
0.5% 0% 0.5% 0% 0%
分配利回り 18.3% 29.1% 16.2% 19.7% 19.9%
3年分の
利益額
550,305円 873,236円 486,787円 589,832円 596,512円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,361,615円 1,401,780円 1,139,821円 1,280,113円 1,512,616円
最終予想
利回り
10.84% 11.92% 4.46% 8.58% 14.79%
新興国ハイイールド債型投資信託の比較表(野村グローバル・ハイ・イールド債券投信・三菱UFJ新興国債券レアル・大和住銀エマージングボンドレアル・SMBC日興ニューワールド債券・新興国債券ファンド豪ドル)

「野村グローバル・ハイ・イールド債券投信」を上図で比較したが、まず基準価額が1年前の2011年10月の6,608円からが現在の6,275円まで5%しか下落していないのは優秀だ。他社は10%から最大で17%も下落している。一方で、投信を購入・運用するうえで欠かせない手数料・信託報酬だが、販売会社が野村證券に限定されており手数料は4%と異様に高い一方で、信託報酬は0.78%と低めだ。分配金は減額されたものの、現在の100円でも分配利回りは18%で、ハイ債型の投信では特に高くはないが、他タイプの投信と比較すると明らかに高い。ただし、基準価額も相応に下落しているため、それを加味すれば最終予想利回りは10%前後と予想される。もちろん、予想は各国の経済情勢に左右されるため、予想の範疇は超えない。

最後に結論だが、数字を見ると非常に優秀で数字重視の人にはオススメだ。過剰に資産(基準価額)を削って分配金を出していないのも運用は良好という証だろう。特に純資産額が同等レベルの三菱UFJの新興国債券ファンドと比較すると削り幅を抑えているのが際立つ。また、他のハイ債型の投信が、組み入れているのが新興国のみの債券であり、この投信は米国・欧州と分散させているのもリスクヘッジの観点で良い。(欧州に分散しているのが良いかどうかは微妙だが)

しかし、これは他のハイ債型の投信にも言えることだが、投資対象が格付けの低い債券、この投信では平均すればダブルBマイナスの債券に投資しているということは、相応のリスクも背負っている点に注意したい。組み入れ銘柄を見るに、通信・エネルギー業等のインフラ企業が多く、そうそう社債がデフォルトすることは無さそうだが、石油会社であれば採掘現場での公害問題(先般の石油会社BPがメキシコ湾に原油流出で賠償金を300億ドル=約2兆円支払った)の危険性もある。通信会社も低価格競争に陥れば収益悪化が起こる。相応のリスクを考慮して長期保有ではなく、長くとも数年の短中期での運用をオススメしたい。