生命保険 解説・用語集

医療保険の入院給付金で考えるべきポイントとは?

医療保険には、入院した際に日数に応じて受け取れる入院給付金が付加している。医療保険のメインともいえる保障だが、その目的は治療費に加えて差額ベッド代・保険外診療への備え・入院中の収入等と言っていいだろう。そのうえで確認・チェックすべき点は「給付日額」「保障期間」「1入院あたりの給付日数」「通算給付日数」の4点が挙げられる。

給付日額は入院1日あたり受け取る給付金額を意味する。その妥当な金額(詳細は妥当な給付日額を参照)は年齢・職業・月収によって異なるが、会社員・年金受給者層は概ね日額5,000円を目安にし、自営業・フリーランスは10,000円を最低ラインに15,000円も視野に入れる必要がある。自営業の入院中の収入減を危惧しているため、収入保障・所得補償があるなら5,000円でも十分だ。

次に「保障期間」だが、これは入院して何日目から給付金を受け取るかを意味する。医療保険(単体タイプ)は、現在は日帰り・1泊2日の入院も保障するのが主流ではある。ただ、それでもケガは5日継続、病気なら8日継続して入院した場合に、初めて入院初日からの日数分の入院給付金が受け取れる医療保険も存在する。また、入院5日目から給付金が受け取れる(4日間分は免責で保険金を受け取れない)5日型も存在するため注意が必要だ。

もちろん、その分だけ保険料は安くなっているため、5日型が決して悪いというわけではない。むしろ、軽度の病気で入院する程度なら、わざわざ医療保険を利用しない方がいいという考え方もできる。安心感からいえば日帰りも対象の方が望ましいが、4日分の入院費(5~10万程度)の貯金があれば5日型でも問題はない。また、入院といっても検査入院が保障に含まれるか否か?という点も確認する必要がある。

そして「1入院あたりの給付日数」と「通算給付日数」だが、1入院あたりの給付日数とは、1回の入院で給付金が受け取れる限度日数を意味する。そして通算給付日数は、保険契約中に給付金を受け取れる限度日数を意味する。その妥当な日数(詳細は妥当な給付日数とは?を参照)は、1入院あたりの給付日数は15・30日(再入院を考慮すれば60~90日)だが、認知症・精神疾患などの長期入院を懸念するなら360日以上は欲しいところだ。通算給付日数は700日か、それ以下が妥当だろう。

以上のように、一口に入院給付金といっても考慮すべき点は多いが、前述の目安を持って、まずは医療保険を検討し始めるといいだろう。いきなり保険代理店に行って相談すれば、彼らの言いなりになって必要以上に手厚い保障を押し付けられる可能性もある。もちろん、サイフが許す限り単純に数値を大きくしてもいいが、可能な限り保険料は抑えておかないと支払った合計保険料が、受け取る給付金を上回る可能性も否定はできない。医療保険の中核となる保障のため、他社と比較する際には保険料と共にチェックを怠らないようにしたい。