生命保険 解説・用語集

医療保険の通院給付金とは?

医療保険は入院給付金・手術給付金に加え、通院給付金が主たる保障といっていいだろう。通院給付金を基本保障としているケースが多いが、保険会社によっては特約にしている場合もあるため、契約前には念のため確認しておいた方が無難だ。

通院給付金は、入院給付金の対象となる入院をし、退院後の一定期間内に入院の原因となった病気の治療を目的に通院をした場合に受け取れる。1通院あたりの給付金額は入院給付金の額によって決まることが多い。例えば入院給付金が5,000円なら、通院給付金は半額の2,500円といった具合だ。入院給付金と同様に「給付日数」には注意を要する。特に、ガンなら入院日数は短く抗がん剤治療のための通院が長期化している傾向にある。また、交通事故によるケガでも、ケガをした部位によっては通院が長引く可能性もある。そのため、入院給付金と同様に日数は長いに越したことはないと考えがちだ。

しかし、平均通院日数を見るとガン・脳梗塞は年間約7日と短く、比較的長い心疾患・腎臓疾患でも年間20~40日に収まっている。すなわち最大で40日(バッファを持てば50日)もあれば事足りることになる。前述の日数は1年間の通院日数であり、病気によっては通院が長期化する。例えばガンであれば1年以上の通院は当たり前で、5年以上の通院を要したケースも少なくない。ただ、それでも7日×5年=35日で40日には収まるため目安としての信憑性は高い。しかし、心疾患も死亡率が高いが再発予防のために長期間の通院が必要になるケースもある。その場合には簡単に目安を大きくオーバーしてしまう。家族・親類縁者で心臓・腎臓に不安を抱えている人がいる(いた)なら、通院日数は長めか無制限にしている医療保険を選ぶのも選択肢の1つだ。

また、通院給付金で注意したいのが、何日か入院してからの通院でないと通院給付金が受け取れないようにしている保険がある点だ。これは風邪などの軽い病気でも保険会社が給付金を支払っていたのでは、保険が成り立たないためだ。しかし、現実問題としてガンなどの病気は、入院無しでいきなり通院による治療も増えつつある。そのため、通院給付金が受け取れる条件が緩い(日帰り入院や手術も入院にカウントするなど)保険を選択した方が安心感はある。

以上のように通院給付金は、今後は入院給付金以上に重要な要素となる可能性が高く、現段階では手厚いものを選択するのが肝要だ。今後の医療技術の進歩により、さらに入院は減り通院による治療が増えてくる(その方が病院としても効率的な経営ができる)可能性は高い。また、かつての入院なしの通院は保障外としている医療保険が、現在では使い勝手が悪くなっているように、現在の通院給付金などが将来は役に立たない可能性がある。そのため今契約した医療保険も、若いうちに契約するほど保険料は安いが、見直さざるを得ない可能性が高まる点は肝に銘じておく必要がある。