投信・預金/資産運用 解説・用語集

業種別日経平均の業種がアテにならないこともある?

業種別日経平均とは、日経500種平均株価に採用されている銘柄を36の業種に分類した平均株価を意味する。日経500種平均株価とは、日経が日々の出来高や時価総額を元に選んだ500の株式銘柄を指している。これを36業種に分けて、業種ごとに算出したのが業種別日経平均となる。

この業種別日経平均は、特定の業種に投資する投信(特定業種選択ファンド)において、連動するような構成ににしたり、ベンチマークに採用されてたりしている。ただ、業種別日経平均が36業種(水産・農林業、鉱業、建設業、食料品、繊維製品、パルプ・紙、化学、医薬品、石油・石炭製品、ゴム製品、ガラス・土石製品、鉄鋼、非鉄金属、金属製品、機械、電気機器、輸送用機器、精密機器、その他製品、電気・ガス業、陸運業、海運業、空運業、倉庫・運輸関連、情報・通信業、卸売業、小売業、銀行業、証券/商品先物取引業、保険業、その他金融業、不動産業、サービス業)あるのに対して、連動する投信は36業種あるわけではない。

この業種分けに何の疑問を持たない人もいるが、多角化している企業であれば、必ずしも的を得ているとはいえない。例えばソニーの売上の全体の15%は金融関係で、テレビ・オーディオの15%に迫っている。それでもモバイルなどを含めれば電気機器の比率は高いが、将来的には業種は電気機器と一言では括れない可能性は否定できない。また、あくまで日経(日本経済新聞)が選定しているものであり、実態が異なりつつあっても同社が頑なに動かなければ永久に是正されないこともある点は覚えておいても損は無い。

個人投資家としては、特に日々確認すべき指数でもない。米国のダウ輸送株指数のように、ダウ平均に先行するということもない。一応、どの業種が伸びているかは、全体の市況を確かめる際には参考にはなる(例えば、ITバブルの際のように情報通信業が異様に伸びている点から、相場の異様さを感じるなど)。ただ、通常は特定業種に投資するファンド・投信を購入する際に、参考にできる指標として念のため確認しておく程度で問題ないだろう。