三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン(毎月決算型)愛称:花こよみ/ 三菱UFJ投信

三菱UFJ投信/三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン(毎月決算型)愛称:花こよみ
オススメ度:
4
運用会社:
三菱UFJ投信
商品名:
三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン(毎月決算型)愛称:花こよみ
地域/決算:
オセアニア / 年12回(毎月)
対象資産:
債券
基準価額:
7,919円(2012年7月6日付け)
手数料:
2.1%(申込手数料 ※三菱UFJモルガン証券) 1.15%(信託報酬)

三菱UFJ グローバル・ボンド・オープンは数字は優秀で投資対象も安心!

この投信は、豪ドル建て及びNZドル建ての債券(オーストラリアの国債、州政府債、銀行の債券 etc...)で運用して毎月の分配金を出している。他社の豪ドル債型の投信では、ニュージーランドを組み入れていないものもあるが、この投信には組み入れられている。

純資産額は2,000億円程度で、短期豪ドル債・ハイグーレドオセアニアとの差は大きいが、規模としては5~6番手だ。過去1年の分配金の履歴は、毎月(年12回)で65円を出している。2011年4月までは分配金は60円だったことを考えれば再び増額される可能性も無くはない。

三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン(毎月決算型)の基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

まず基準価額だが、2010年から上下はあるが、緩やかな下落傾向にある。これは大抵の他社の豪ドル債型の投信と同じ動きだ。分配金再投資の基準価額も上下はあるが上昇している。 この投信は世界債券インデックスを参考指標としているが、指標以上のパフォーマンスは残せているようだ。

純資産は他社同様に増加はストップしているが、他社よりも早い2009年あたりで増加は止まった。三菱UFJグループも、この投信ではなく夢実月の販売に注力しているのかもしれない。

三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン(毎月決算型) (愛称:花こよみ)の国別上位構成銘柄及び通貨比率

投資している構成比率は、オーストラリアが60%、25%がニュージーランドに配分されている。さらに国際機関も含まれている。冒頭で述べたように、他社の豪ドル債型の投信はニュージーランドが無い。投資対象の債券の格付けは全てがトリプルAを占めている。これも他社はダブルAが含まれている点を考えれば、かなりリスクを抑えている。

上位構成銘柄は、ニュージーランド国債が20%を占め、オーストラリアの各州の地方債(州債)が占めている。

オーストラリアの住宅ローン件数や家計貯蓄率

今後の豪州経済だが、回復基調に異論はないが、完全なる回復までには至っていない。特に2000年台に個人消費を引っ張ってきた住宅購入が伸び悩んでいる。豪州政府は金利引き下げ方針を打ち出しているが、それでも現在の金利水準は高く、欧州債務問題も相まって住宅市場はイマイチだ。家計の貯蓄率も高く個人消費が伸びていない。内需が回復してきた時こそ完全復活といえそうだ。

さらに経済を支える輸出に悪影響なのが為替で、特に2011年後半は世界的なリスクオフで、投機的な豪ドル売りポジションが大きかったが、現在は縮小している。このまま豪ドル安に動くのがベターだが、米国経済の失速もあり、なかなか対米ドルでは厳しそうだ。。。

次に、他社の豪ドル債の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額、手数料、信託報酬、利益額、分配利回り等を比較した。「分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額 = 利益額」

最後に、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。
計算上での考え方は「前年比で基準価額がマイナス5%で現在の基準価額が1万円とすると、1年後も2年後も5%ずつ減額した場合、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」
※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

製品名 大和住銀
短期豪ドル債
大和投資信託
ハイグレード
オセアニア・ボンド
野村
豪ドル債オープン
UBS
オーストラリア債券
三菱UFJ
グローバルボンド
花こよみ
基準価額 6,669円 7,220円 9,780円 9,044円 7,919円
増減率 -15.7% -6.2% -2.2%? -2.7% -3.7%
手数料 1.4% 1.3% 3.1% 2.1% 2.1%
信託報酬 0.94% 1.31% 0.66% 1.05% 1.15%
信託財産
留保額
0% 0% 0.5% 0.3% 0%
分配利回り 17.1% 10.3% 11.6% 9.6% 8.7%
3年分の
利益額
511,611円 309,730円 348,298円 286,943円 260,992円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,096,695円 1,122,098円 1,247,740円? 1,183,505円 1,134,438円
最終予想
利回り
3.12% 3.91% 7.66%? 5.78% 4.29%
豪ドル債型投資信託の比較表(短期豪ドル債オープン・大和投資信託ハイグレードオセアニアボンド・野村豪ドル債オープン・UBSオーストラリア債券・三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン)

上図の通り「三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン」の分配利回りはワーストに低い。信託報酬も高額な部類に入る。ただし、基準価額は2011年時とマイナス3%しか減少しておらず、このマイナス幅は他社よりも小さい部類に入り奮闘しているといえる。その基準価額のマイナス幅を考慮すると、最終予想の利回りはUBSに次いで高い。上図には無いが、分配金再投資基準価額の1年の騰落率でも、他社が短期豪ドル債のマイナス7%は別として、それ以外の投信はマイナス2~3%が多いが、この投信はマイナス1%になっている。この数字を見ても数字面では優秀といえる。

最後に結論だが、数字は優秀な投信のため十分検討に値する投信といえるだろう。さらに投資対象がトリプルAの債券のみとなっており、同じ豪ドル債型の投信でもリスクを抑えている点も評価できそうだ。

ただし、純資産の増加はストップしており、ただでさえ他の豪ドル型の投信よりも少なめで、これからの上昇も見込めないとなると、そこからの分配金増加は見込めない。基本的に投資信託は運用益もあるが純資産も削って分配金を出しているため、明らかに純資産が減少してきたら見切り時と考えるべきだろう。現在は、その段階には入っていないが、他社よりも早く減少傾向に入っているため、今からの購入で超長期の保有を考えるのは止めておいた方が賢明だろう。