グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)/ 国際投信投資顧問

国際投信投資顧問/グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)
オススメ度:
3
運用会社:
国際投信投資顧問
商品名:
グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)
地域/決算:
海外・先進国 / 毎月分配型(年12回)
対象資産:
債券
基準価額:
4,775円(2012年11月14日付け)
手数料:
0%(申込手数料 ※マネックス証券) 1.25%(信託報酬)

グローバル・ソブリン・オープンは明らかに縮小傾向にはあるが?

グローバル・ソブリン(通称グロソブ)は、長らく純資産額がトップで投資家からの人気も高く、毎月分配型の火付け役でもある投信だ。主な投資対象は日本を含めた海外の先進国の債券で、その売却益や利子収入で分配金を出している。ただし、現在は毎月分配型の投信の普及、新興国関連の投信に人気が集中しており一時期ほどの過熱感は無い。純資産額も目減りが止まらない状況で、2008年には6兆円に届こうかという勢いだったが、それから右肩下がりを続け現在は1.5兆円を切るまでになっている。過去1年の分配履歴では毎月35円で、2009年8月から維持している額なのだが、いつまで持ち堪えられるかが問題だ。

グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)の基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

基準価額だが、2007年から右肩下がりで下降している。近々では2012年初めの日銀金融緩和の辺りで小反発したが、流れは止まらない。累積投資額(分配込みの基準価額)は、ベンチマークの世界債券インデックスに概ね連動はしているが、その乖離が進んでいる。世界で債券人気が進み債券価格の上昇は起きているが、それに追従できない現状が見てとれる。引き続き債券人気が進んでも、思ったよりも基準価額は上昇しない可能性がある。純資産は前述の通りで、このペースなら2014年には1兆円も切る見込みだ。分配金の維持は厳しくなりそうだ。

グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)の国別比率・上位構成銘柄

組み入れ銘柄のポートフォリオだが、国・通貨別では米ドルの比率が約25%でトップで、次いで豪ドル・加ドルが10%程度で続く。2011年9月に話題になったが、一時期の欧州債務問題でユーロ圏への投資比率は引き下げており、その分を豪ドルにシフトした結果が現在の比率だ。

また、投資している債券の格付けはトリプルAが85%を占めているが、これは格付け会社のS&Pとムーディーズの2社で、格付けが高い方を採用したグラフのため注意したい。例えば、グロソブで投資比率が24%でトップの米国債は、ムーディーズはトリプルAだが、S&Pは2011年8月に話題になったがダブルAプラスに引き下げている(俗に言う米国債ショック)。そのため実際は、ダブルA格付けの債券も相当数が組み込まれていると考えられる。その米国債に次いで高比率なのが豪ドル債で、こちらは国債と政府機関債の合算で20%を超える。政府機関債にはオーストラリアの州債等も含まれている。

米国債などの金利推移及びQE3後の債券市場動向

今後の債券市場の見通しだが、まずは投資比率が高い米国債は、FRBの量的金融緩和で一時は金利上昇するが、その後は低下するという流れが2009年から続いている。一時はリスクオフが高まるのだが、時を待たずして資金が債券に戻っている。それも飽和したのかQE3では金利は動かず、左図の通り新興国等のハイーイールド債に資金が流れる始末だ。今後もQE3.5~4が期待されるが、効果には疑問符が付く。

また、米国以外の国債はイタリアやスペインといった重債務国の国債が高利回りになっている一方で、フランス・ドイツは金利低下している。こちらは伊・西・葡・希などの重債務国の債券からドイツ・フランス等へ流れたためだ。こういった状況がグロソブに与える影響は、金利低下=債券価格の上昇=基準価額の上昇というプラス面はあるが、金利低下による利子収入の減少というマイナス面もある。毎月分配型を謳う以上は分配金を出さねばならず、債券売却益が分配金に追いつかなければ、基準価額を削るしかなくなる。今後も先進国での金利上昇が見込めない以上は厳しい状況が続く可能性が高い。

次に、他社のソブリン債型の投資信託(純資産ランキングで上位)と基準価額・手数料・信託報酬・利益・分配利回り等を比較した。「利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額」
加えて、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。
計算上での考え方は「前年比で現在の基準価額がマイナス5%の場合、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額すると仮定して、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

商品名 国際投信
グローバルソブリン
オープン
DIAM
高格付けインカム
オープン
大和投信
グローバル債券
ファンド
日興アセット
高金利先進国債券
オープン
ピムコ
ハイ・インカム
毎月分配型
基準価額 4,775円 7,608円 6,304円 7,134円 5,935円
増減率 -1.2% +2.4% -2.0% -0.8% +4.1%
手数料 0% 1.0% 2.0% 1.0% 0%
信託報酬 1.25% 1.00% 1.25% 1.25% 1.30%
信託財産
留保額
0.5% 0.5% 0% 0% 0.5%
分配利回り 7.5% 4.5% 3.5% 10.5% 9.8%
3年分の
利益額
221,374円 120,615円 85,266円 305,738円 289,614円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,184,606円 1,195,089円 1,025,868円 1,281,739円 1,417,874円
最終予想
利回り
5.81% 6.12% 0.85% 8.63% 12.34%
ソブリン債型の投資信託の比較表(国際投信 グローバルソブリン・DIAM高格付けインカムオープン・大和投信グローバル債券ファンド・日興アセット高金利先進国債券オープン・ピムコ ハイインカム毎月分配型)

上図で「グローバルソブリン」を比較したが、ソブリン債券型投信の全般に言えるが、基準価額の増減がグローバル・ハイ債ワールドリートでは考えられないほど安定している。グロソブの基準価額は下落傾向にあるとはいえ1年前の2011年11月の4,835円から2012年11月現在の4,775円まで1%程度しか下落していない。もちろん、2011年秋は米国債格下げ騒動から欧州債務不安と基準価額を大きく押し下げる要因が大きく、その時点で大きく下落していたため、現在と比較すると下げていないように見えるとも考えられる。それでも優秀とはいえる。

ただし、分配金が少なく分配利回り自体は低く、諸経費でも手数料こそ無料の販売会社があるが、信託報酬は高額な設定だ。結果的に、最終予想利回りは計算上では5%前後となった。もちろん、この数字も突発的な経済情勢悪化、前述の2011年が悪すぎたという考え方をすると、2~3%になる可能性も十分にある。

最後に結論だが、かなり安定した運用を希望するなら悪くはない。毎月分配型は基準価額(純資産)を削って分配金を出す傾向も強いため、減少傾向にあるとはいえ純資産が日本一というのは心強い。情報収集をするにしても、前述の構成比率の変更、基準価額が設定来の安値になったりする度に新聞等のニュースにも取り上げられるため、投資に疎い人でも扱いやすいだろう。

しかし、確実に縮小傾向にあることも事実で、これから購入して長期保有をするには不安が大きい。そういった意味では、日興の高金利債券ファンドのように純資産が増加傾向にある投信の方が安心できるだろう。また、分配金を毎月の小遣い代わりにしている退職した準富裕層などには物足りない数字でもある。そういった人は、ソブリン債型なら、純資産額がグロソブの4分の1になるが日興かピムコあたりを検討すると良いだろう。もしくは、さらにリスクをとってリート・ハイ債を狙うというのも一つの手段だ。