三井生命 新・プラウド-R/ 終身保険の返戻率・利回り・保険料・保障を評価 レビュー
- オススメ度:
- 保険会社:
- 三井生命
- 名称:
- 新・プラウド-R
- 契約年齢:
- 20~70?歳
- 返戻率:
- 114.1% ※30歳契約
- 利回り:
- 0.28%
- 特徴:
- 一生涯の保障をご希望の方に
三井生命 新・プラウド-Rはストレス性疾病入院特約は魅力的だが!?
※三井生命は大樹生命になり、新プラウド-Rは募集が停止されています。そのため今から新たに加入・契約することはできません。
※一時払い終身保険になったようです(一時払い終身保険カテゴリの新・プラウド-Rを参照)
新・プラウド-Rは三井生命が募集・販売するスタンダードな終身保険で、この保険以外に外貨建て終身保険や引き受け基準緩和型の終身保険がある。以下、新・プラウドRの概要を記載し、他社の終身保険と比較する。
この保険は契約時から死亡保険金は一定で、5年ごと利差配当があるため、債券市場(一部は株式の可能性あり)が堅調に推移すれば配当金が受け取れる仕組みになっている。左図には無いが解約返戻金は契約からの経過年数に応じて増加している。一時払いの場合で保険料の払い込みから5年後に解約返戻率が100%を超えてくるあたり、月払いで解約するなら解約返戻率が100%を超えるには、最低5~7年は見込んでおく必要があろう。
特約は他社同様に、災害・事故で死亡すると保険金が増額される傷害・災害特約がある他、医療系の特約が多く分岐している。入院・生活習慣病・がん入院・女性疾病があり、各々の状況になれば給付金が受け取れるが、本家の医療保険には及ばず返戻率を削るため薦められない。注目できるのはストレス性疾病入院特約で、これは所定のうつ病などストレス疾病で入院すると給付金が受け取れる。詳細な情報が明らかではないが、契約段階で働いているなら検討する余地はありそうだ。
次に下図では各社の終身保険を、加入できる年齢・選択できる保険料の払い込み完了時期で比較し、さらに死亡保険金の増減・5年ごと利差配当の有無・付加できる特約などで比較した。参考までに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し、自分が苦情を言う可能性があるかも考慮した。
さらに1,000万円(一部は500万円)契約した場合の保険料と、支払った保険料が何%で戻るかを示す「返戻率」を比較した。解約返戻金で利益を出すなら低解約返戻金型が妥当なため、今回は死亡保険金と保険料から返戻率を算出した。契約者は30・40・50歳に分け、保険料の払込完了を60歳とした。また、他の金融商品(定期預金・国債・社債など)より得かを計るため、40歳契約で平均寿命の80歳で死亡保険金を受け取った場合の利回り(保険料を何%で運用したか)でお得さを比較した。
名称 | かんぽ ながいき |
三井生命 プラウド |
東京海上 終身 |
ソニー 有期払込 |
アフラック 終身 |
ジブラルタ 終身 |
AIG富士 終身 |
オリックス 終身 |
コープ共済 ずっと |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
契約年齢 | 20~65歳 | 20~70歳 | 20~50歳 | 0~85歳 | 3~80歳 | 20~50歳 | 6~75歳 | 0~70歳 | 0~70歳 |
払込年齢 | 60~75歳 | ? | 60歳? | 3年~ | 60~70歳 | 5歳刻み | 10年以上 | 5歳刻み | 60~70歳 |
保険金 増減 |
一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 |
5年ごと 利差配当 |
○ | ○ | - | - | - | - | - | - | - |
特約 | 災害/傷害 疾病 |
傷害/災害 医療 |
- | 沢山 | - | 死亡/介護 年金 |
災害/傷害 三大疾病 |
災害/傷害 リビング |
リビング |
苦情率 | 0.64% | 0.92% | 0.33% | 0.57% | 1.08% | 1.35% | 0.24% | 0.42% | - |
保険料 返戻率 30歳 |
\21,100 131.6% |
\24,340 114.1% |
\22,750 122.1% |
\19,620 141.5% |
\7,810※ 106.7% |
\21,940 126.6% |
\10,695※ 129.8% |
\21,760 127.6% |
\21,200 131.0% |
保険料 返戻率 40歳 |
\33,000 126.2% |
- | \35,310 118.0% |
\31,260 133.2% |
\10,070※ 103.4% |
\34,090 122.2% |
\16,760※ 124.3% |
\33,800 123.2% |
\33,500 124.3% |
保険料 返戻率 50歳 |
\67,500 123.4% |
- | \71,660 116.2% |
- | \13,625※ 101.9% |
\72,370 115.1% |
\34,435※ 121.0% |
\70,250 118.6% |
\69,800 119.3% |
利回り | 0.66% | 0.28% | 0.45% | 0.83% | 0.09% | 0.56% | 0.58% | 0.58% | 0.61% |
上図で左から2番目の三井生命 新プラウドRだが、契約できる上限年齢は特に他社との歳は無いが、前述した5年ごと利差配当がある点で他社よりプラスといえそうだ。前述した通り多くの特約があるが、その中でも検討の俎上に上るのはストレス疾病だが、これも既に50代や退職後で契約を検討しているようなら、付加するだけ保険料のムダとなる。苦情率は他社より高い数字で、解約手続き・契約内容変更についての苦情数が多い点は覚えておいて損は無さそうだ。
保険料は30歳契約を参照すると他社より若干高く、その分だけ返戻率も他社に見劣りする数字だ。この数字で特約を付加すると返戻率が100%を切って損をする可能性も出てくるため、特約を魅力に感じても選択は相応に注意を払う必要がある。また、利回りに換算しても0.28%では個人向け国債よりも低く、定期預金・定期積立を上回るか否かというレベルのため貯蓄性も高いとは言い難い。
結論としては、一部で魅力的に映る特約があるものの、それを付加することで返戻率が100%を切るような事態が想定される以上は、特約を含めてオススメはできない。それなら、終身保険とは別に就業不能保険・所得補償保険を検討した方がベターだ。特に所得補償保険は保険会社によっては相当に長い期間の所得の喪失をカバーできるため、この保険で特約でカバーするよりもいい。