ニュージーランド・NZドル/ 外貨普通預金の金利・為替コスト(手数料)・変動率比較

ニュージーランド国旗
オススメ度:
3
通貨名:
ニュージーランド・ドル(NZドル)
国名:
ニュージーランド
金利:
0.42% ※住信SBIネット銀行
手数料:
1円あたり0.4円 ※住信SBIネット銀行
現在値:
68.4円(2012年3月20日時点)
最高値:
97.7円 ※過去5年の最高値

NZドルでの外貨普通預金は激しい上下を辛抱して為替益を待てるなら!

ニュージーランド・ドル(NZドル)はニュージーランドで発行されている通貨で、ニュージーランド本国の他、近海の一部の諸島でも利用されている。オーストラリアと同様に1960年代まではニュージーランド・ポンドとしてイギリスに準じたレートだったが、NZドルになり独自レートとなった。

過去のNZドル/円の動きを見ると、一時期には1NZドル=90円をつけた時期もあったが、その後は下落して60-70円台の時期が多い。ただし、当然ながら世界的な好景気や不況により上下はしている。動きはオーストラリアドルと似ている。NZドル/USドルで見ても、総じてNZドル高・米ドル安が続いている。

ニュージーランドドル・円の各種為替チャート

さて、左図の通り、近5年のNZドル対円はサブプライム時の下げはあったが、概ね60後半~70前半の時期が長い。対USドルでも同様だ。

細かく見ると、2010年9月と2011年2月のカンタベリー地震のためNZドルは下落した。カンタベリー地方は農業・酪農・観光業でGDPの15%を占める地域だった。今後の大きな伸びるかは微妙だが、70円前半まではイケそうな雰囲気ではある。。。

ニュージーランドの各種経済指標(失業率・貿易収支など)

NZドル高に欠かせないNZの経済状況だが、現在の状況は新興国・中国向けの輸出とカンタベリー地震の復興需要で堅調に伸びている。2011年だけを見れば、ラグビーワールドカップや農産物の価格上昇も経済成長プラスを牽引した。

一時的なイベントの終了に、欧州の影響がくすぶる中で、2012年は不安もあるが、引き続き中国への輸出が増加傾向にあること、債務残高が他国よりも低く格付けが高いこともあり、当面は良好な経済情勢が続くと予想される。もちろん、突発的な天変地異の不安はあるが、まだまだ伸びは期待できそうな状況といえそうだ。

次に、NZドルで外貨普通預金を始めるにあたり、各銀行の金利と手数料を比較した。金利が高くとも、為替コスト(手数料)が高額であれば、実際に手元に入る利益は減額されるため、金利から手数料を差し引いた金額を計算した。この場合、為替の上下(為替益)と税金は考えないものとし、預け入れ時の金額は100万円で1年間の運用で計算した。また、便宜上、70円=1NZドルから変動しないものとして計算し、特殊なキャンペーン金利などは無視することとした。
預け入れ時:100万 ÷(70円+手数料)=預け入れ時のNZドル
払い戻し時:預け入れ時のNZドル ÷(70円+手数料)=払い戻し時の円
利息:預け入れ時のNZドル×金利×1年

外貨預金の銀行毎の金利・手数料・利息・手数料と利息の差(住信SBI・楽天銀行・ソニー銀行・スルガフィン工・新生銀行・三井住友銀行・三菱東京UFJ銀行)

上図の通り、各銀行でNZドルで外貨普通預金を組んだ場合を比較すると、金利こそ他行に劣るが、手数料の安さで住信SBI銀行が最も有利な数字になっている。住信SBIの金利は三井住友などのメガバンクの0.5%が最大値だが、手数料は住信SBIが三井住友の5分の1の安さになっている。結果的に、100万円で1年運用した場合には、手数料は2,000円~最大60,000円程の差額が発生するため、これから運用するなら住信SBIで決まりか。

次に、住信SBIでNZドルで外貨普通預金を組むとして、NZドルでの外貨普通預金と他国の通貨での外貨普通預金を組んだ場合の金利や1外貨あたりの手数料、近1年・近5年の為替レンジ、変動率(どの程度の比率で為替が変動したか? ※パーセンテージが低いほど変動しても相対的な差は狭い)、現在から為替が変動しなかった場合で100万円を1年運用した場合の損益を比較した。計算上の為替レートは2012年3月時点の数字を採用した。

外貨預金の通貨毎の金利・手数料・レンジ・最大変動幅・変動率・運用例(米ドル・豪ドル・ユーロ・NZドル・英ポンド・スイスフラン・南アフリカランド)

NZドルでの外貨普通預金は、為替が変動しない場合、他国の通貨と比較すると利益は薄い。金利こそ他国よりも高い部類だが、為替手数料が他通貨よりも重なって生じるのが痛い。また、オーストラリアと同様に安定しているイメージが強いが、実際の変動率で他国通貨と比較してみると、南アフリカのランドに次いで変動率が大きい。最安値の2倍、逆に最高値の半額以下になる可能性がある。どうやら数字上では、外的要因や変動が激しい通貨ということになる。

結論としては、ニュージーランドの経済状況が良好で、さらに復興需要も見込めるため、これから徐々にNZドルが押し上がっていく可能性は十分にある。また、手数料こそ高めだが金利も高めで悪くはないため、オススメはできそうだ。ただし、前述の通り、何かの外的要因や転変地異による変動が激しいことは覚悟する必要がある。自分が購入した金額の半額近い金額に下落する可能性があり、かなり心臓には悪い。これは裏を返せば、自分が購入した金額の2倍になり為替益を得る可能性もあるのだが。。。かなり上昇・下落をしても辛抱強くNZドル高になることを待てるのであれば、まだ現在はNZドル安円高の状態のため、外貨預金を始めても良いだろう。