原状回復・リフォームの費用削減等のポイント

原状回復・リフォームの費用を安くするコツはあるのか!?

アパート経営などの不動産投資では、退去後の原状回復や入居率向上のためのリフォームは必要不可欠な作業だ。ただ、この費用は不動産オーナーにとっては頭の痛い問題(下手すると死活問題)であるため、何とか費用を抑える方法やコツは無いのだろうか?

まず、原状回復の概要と対策でも記述したように、壁紙クロスは不動産オーナーが自ら行うことで究極的に費用削減ができ、入居者への注意喚起、入居と退去のサイクルを引き伸ばすなどの方法がある。特に最後の入居と退去のサイクルを伸ばす手は、1年でも2年でも延ばすことで投資物件を売却ないしは滅失するまでのトータルの原状回復の回数が減る。顧客満足度を上げることにも繋がるため、是非に検討すべきだ。

それ以外には、とにかく安い部材・クロス・材質を選択するという手もある。当然ながら工賃が安い業者を選定するというのも手だ。ただし、過剰に安い部材・業者を選択したせいで、後々の不具合に繋がっては意味がないため、業者の選定などには最低限の注意と試行錯誤が必要となる(詳細は業者の選び方・見極め方を参照)

内装工事の種類を減らすという手もある。一定規模を超えるリフォームとなると、壁紙クロスはクロス職人、壁は左官職人、ふすまは表具職人・・・と多くの職人が関わることになる。多くの人が関わるほど人件費によって費用が膨らみ、さらに各々の業者が異なれば各社には最低限の費用があるため総合的に高い費用となる。そのため、壁やふすまはクロスで統一することで人件費を下げられ、可能な限りリフォームを依頼する窓口を一本化することで費用が下げられる。ただ、昨今では業者ごとの分業制という側面が無くなりつつもあり、後者による費用の節減は少し難しいかもしれないが。。。

また、作業に必要な人員数(人工)を減らすという手もある。工事費用の明細は基本的に作業の面積によって決まるが、あまりに狭い範囲だと人工で見積りが出てくる場合がある。仮に壁紙クロスを部屋一面(計60平方メートル)を貼るのに6万円を要するとしよう。それが壁紙の張替えが5平方メートルだったら見積もりが5000円になるか?といえば、そうはならない。なぜなら、職人が移動して準備・実作業をするとなると半日・四半日は要するため、業者としては1~2万円程度の見積りにしないと仕事として成立しないためだ。

このこと自体は止むを得ないのだが、作業範囲・塗装範囲が広い場合には人工によって見積もりが上昇しているケースがある。そのため、時間・日程などを犠牲にして業者に人工の削減を交渉して、トータルの費用を削減するという手も浮かんでくる。かなりのアクロバティックな方法ではあるが、どうしてもという人はチャレンジする価値はある。

以上が原状回復・リフォームを安くするコツについてだが、安く貸し出す前に戻すのがベストであれば多少のことは目を瞑って原状回復するという考え方もある。必ずしも完璧に戻さないという考え方に立てば、必要な費用も減り他の入居者を集めるためのプラスαに振り向けることもできる。また、原状回復・リフォームついて不安・疑問があれば、業者任せにするだけでなく、不動産会社の不動産相談会(不動産投資セミナー)などを利用して同業者の意見・経験談を得るのも1つの手だ。