マンション投資における収益物件の探し方と売買

郊外・地方都市では駐車場の有無が不動産投資の成否を決める!?

不動産投資の第一歩が投資物件・収益物件探しだが、郊外・地方のアパート・マンションであれば駐車場の有無は重要だ。逆に東京・大阪といった都市であれば、電車・地下鉄が充実しているため必ずしも重要ではないといえる。それでは、なぜ駐車場の有無が重要で、どのような基準で駐車場を考えるべきか?

まず、なぜ郊外・地方で駐車場が重要かといえば、当然ながら郊外・地方の人にとっては自動車は生活必需品であるためだ。下図の自検協の都道府県別の世帯あたりの自動車の普及台数を見て欲しい。

都道府県別の自動車保有率(世帯あたりの普及台数)

トップ20には東京・大阪は入らず、数多くの政令指定都市の無い県がランキングに入っている。上位の県では1世帯に2台の自動車を保有しており、自動車は成人1人に1台という認識に近いことも予想される。地下鉄網が無い地方都市であるほどに、駐車場は生活必需品といえるだろう。そのため東京・大阪だけでなく他地域の不動産も分散して所有する際には、駐車場の有無が入居者募集には大きい要素だ。ちなみに、上図のデータで神奈川は45位・大阪は46位・東京は47位となっている。

それでも、昨今ではニュースなどで若者の車離れ等が叫ばれて久しく、地方都市であっても若者なら車を利用していないと考える人もいるだろう。実際、賃貸経営(アパート経営)においては、1人暮らし向けの投資物件が収益の柱となることも多く、若者が自動車を利用しなければ支障は無いといえなくもない。ただ、下図の三大都市圏と地方都市圏の交通手段分担率を見て欲しい。

三大都市圏及び地方都市圏の代表交通手段分担率

上図から分かるように、三大都市圏であれば20~39歳の男女の平日の代表的な交通手段の大半を鉄道が占めている。この割合は年々増加しており、将来定期に止まるという予測は立てにくい。その一方で、地方都市圏においては20~39歳の男女の半数以上が自動車を代表的な移動手段にしており、さらに二輪車などのバイクを合わせれば90%近くを占めている。その意味で駐車場だけでなく駐輪場の必要性も高いといえそうだ。

注意したいのは、昨今の賃貸物件探しはインターネットで候補を絞り込むのが主流という点だ。当然のことのように思うかもしれないが、検索の際に駐車場の有無は、チェックボックスにチェックを入れるかだけで済む。駐車場が無ければ検索にも引っかからずに、候補に挙がるどころから存在さえ知らないことになる。物件の検索サイトによっては「近隣に駐車場アリ」でも駐車場アリの条件に該当しないこともある。貸借人としては近隣に駐車場があったとしても、移動が手間という点と振込・引き落としが別途で面倒という点からしてマイナスなのは間違いない。また、建物に近接した駐車場を後から建設するのも困難なため、収益物件を購入する際の有無が全てといえる。

以上が郊外・地方都市における駐車場の必要性だが、前述したように駐車場を投資物件の購入後に後付けで隣接地に付加することは難しい。くれぐれも物件の購入前・建設前に駐車場の有無を確認しておきたいところだ。また、それぞれの都市によって特徴があるため、地方都市であっても駐車場の需要が低い地域(駅前など)もある可能性があるため、ネット・書類などの情報だけでなく最後は現物・周辺環境を見て判断するのが賢明だ。もしも不動産投資について不安があるようなら、不動産会社・FP・銀行などの専門家の意見を取り入れたり、不動産相談会(不動産投資セミナー)や相続相談会なども利用したいところだ。