アパート経営での入居募集や維持管理

投資物件に太陽光発電のためのソーラーパネル設置でメリット!?

不動産投資では投資物件・収益物件探しや融資も重要だが、物件の価値を上昇させたり賃料以外のプラスαの収入を不動産から得ることも重要だ。ことアパート経営では、空室によって賃料そのものが消えるのが最大のネックだが、不動産から他の収益が得られれば不安の一部を払拭できる。その代表例がソーラーパネルによる太陽光発電だ。

とはいえ、ソーラーパネルを設置するのはメリットもあるが、、当然ながらデメリットも存在する。初期投資額は大きくはないが、デメリットも把握しつつ検討するのが賢明だ。以下、投資物件(アパート・マンション)に太陽光発電のためのソーラーパネルを設置した場合のメリット・デメリットを記載する。

まずメリットだが、単純に金銭を生み出さない屋根を収益化できる点が第一に挙げられる。6~8戸程度のアパート・マンションであれば、物件の大きさにもよるが4000~9000kwは年間で発電できる。売電価格は地域によって異なるが、2015年現在の関東圏の1Kwあたりの売電価格は33円のため、売電収入が年間13~30万円が見込める。当然ながら、ソーラーパネル設置のための初期投資(導入コスト)が必要になるが、今でも補助金が受け取れる都道府県があるためキャッシュフローへの影響が抑えられる。導入コスト+メンテナンス費用と売電収入を鑑みてプラスが見込めれば、屋根の収益化ができることになる。

さらにソーラーパネルは減価償却ができる設備のため、節税に繋がるのが大きい。アパート経営では基本的に経費の大半は建物の減価償却で、それ以外の大きな経費がないのがネックといえる。しかし、ソーラーパネルの耐用年数は17年は減価償却でき、建物以外の節税に寄与する大きな要因となる。

さらに太陽光発電と連携した蓄電池を設置すれば、停電時の非常用電源としてだけでなく、割安な深夜帯の電気料金で昼間の電気代を賄える。こちらも都道府県によっては設置するだけで補助金が出るため導入コストを抑えられ、かつ減価償却もできるため節税に繋がる。

主なメリットは以上だが、逆にデメリットには何があるのか? 第一に挙げられるのが、メリットの裏返しで収益化が達成できないリスクだ。太陽光発電の業者は、大抵は現在の売電価格で利回り○○%などと謳って利益が出るように記述しているが、下図のように売電価格は年々減額されているため最終的に数年後に収益化できているとは限らない。

売電価格の推移

太陽光発電での売電価格は2015年現在では48円だったが、現在では3分の2から半値近い額になっている。これは他の地熱・風力などの自然エネルギーによる発電が進まず、太陽光発電にばかり集中したことも起因している。一時期よりも太陽光発電も、乱立状態から一段落しているため売電価格の下落が止まる可能性もある。とはいえ下がることはあっても、上がることは考えにくい。そのため売電価格が減っても利回りに相当の余裕があるなど、可能な限り厳しい収支計画を立てておく必要がある。

また、売電価格の下落によって、以前よりは太陽光発電業者の乱立状態は解消されつつあるが、それでも悪質な業者が生き残っている可能性はある。悪質でなくとも、ソーラーパネルの10年間保証などを謳っておきながら倒産(半ば夜逃げ)に近いものもある。また、設置作業を依頼する工務店も本業ではないため、雨漏りなどのトラブルに繋がることもある。業者選びの選択が太陽光発電の成否に直結していると言っても過言ではないだろう。

最後にソーラーパネルと環境問題についてだが、製造段階は元より廃棄時にも有害物質が出るという説もある。また、ソーラーパネルの廃棄についての法整備も整っておらず、どのように廃棄するか、廃棄の際の費用もまちまちだ。そのため太陽光発電は環境に優しいはずが、数年後には実は環境に貢献しない技術だったという可能性もある。間違いなくデメリットとはいえないが、その点は頭の片隅にでも置いておいた方がいいだろう。

以上がアパート等の収益物件での太陽光発電の活用法だが、何かしら導入に際してひっかかることがあるなら、無理して導入しない方が賢明だ。あくまで太陽光発電は賃料収入の補完であり、プラスαでしかないためだ。賃料収入で収支計画通りに順調に進んでいるなら、無理して他のリスクを負う必要はないだろう。また、何か不安があればネット・書籍だけでなく、不動産相談会(不動産投資セミナー)などで同業者の意見を聞いたりして、1つの参考にするのも手だろう。