アパート経営での入居募集や維持管理

家賃の一括受け取りによるメリット・デメリットとは?

不動産投資では家賃収入が定期的に入ることがメリットの1つではあるが、あえて入居者から家賃を一括で受け取ることでメリットも生じる。それでは、家賃を一括で受け取ることに、如何なるメリット・デメリットがあるのか?

まずメリットだが、大家からすると新たな借入をせずに資金を調達できるメリットがある。例えば、原状回復で部屋のクリーニングなどの修繕費が発生する場合がある。それも1部屋や2部屋であれば手元のキャッシュで賄うこともできるが、3月などの引越しシーズンともなれば、まとめて退去者が出る場合もある。一気に空室を埋めないと、以後の賃料収入に影響が及ぶため相応の資金で一気に行う必要がある。そういった場合に、家賃の一括受け取りをすることで擬似的に資金調達ができるというわけだ。

他方で入居者にも家賃の一括支払いにはメリットがある。毎月の家賃の振込みであれば手数料が発生するが、一括であれば手数料が節約でき手間も省ける。ただ、入居者が学生であれば両親の手元に相応の貯金があるため、一括振込にも応じてくれるかもしれないが、社会人であれば応じてくれない可能性がある。そういった際には、一括振込によって何かをプレゼントしたり家賃の僅かな値引きなどを付ければいい。毎月7万円の家賃を1千円引きするなら、「家賃の一括振込で年間12000円の割引!」等と謳えば食いついてくれるかもしれない。

一方でデメリットには何があるか? これは収支計画の修正が必要になるということだ。一括家賃の受け取りで調達した資金で修繕などを施して、その部屋が即座に埋まれば問題はないが、それでも何部屋分かの賃料収入が途絶えることになる。そのため、一括で受け取った家賃が無くとも、最低でも銀行からの借入金の返済には支障が無いようにしなければならない。また、意外と一気に家賃収入が入って気が大きくなって無駄使いしてしまうリスクも、(ほぼ無いだろうが)一応はある。

以上が家賃の一括受け取りのメリット・デメリットだが、デメリットは大きくはないためケースバイケースで賢く活用したいところだ。ただし、重ねてになるが収支計画を修正して支障がない様にすることを忘れないようにしたい。何か不安があればFP・税理士・銀行への無料相談や、不動産相談会(不動産投資セミナー)などで同業者の意見を参考にするという手もアリだろう。