アパート経営での入居募集や維持管理

インターネットし放題は入居者募集の際に差別化になる!?

不動産投資では投資物件・収益物件探しや融資も重要だが、入居者がいなければ賃料収入が得られないため入居者の募集はアパート経営の要といえる。その際に、他社との差別化となり得るのがインターネットし放題という物件だ。

昨今ではインターネット回線が敷かれている物件は多いが、まだインターネットがし放題という物件は少ない。もしくはインターネットし放題と言っても、入居者が個々人でプロバイダと回線と選択して契約する形式が多い。そのためマンションの入居者には個々人での個別契約は不要で、無料でインターネット回線を提供すれば入居者へのアピールになる。

この点、昨今ではiPhoneなどのスマートフォンが主流で、パソコン用のインターネット回線などと不要では?と思うかもしれない。確かにパソコンの出荷台数は減っており、スマートフォンの普及台数は増えるばかりだ。下図を見て分かるように、いずれはiPadなどのタブレットがパソコンの出荷台数を優に越えることも考えられる。

パソコン・スマートフォン・タブレットの出荷台数と今後の見通し

しかし、スマートフォンの通信量には7~9GBの制限がかかっており、それを超えると追加料金か通信速度の制限がかかる。昨今ではスマホでも高画質な動画を楽しんだり、通信量の大きいゲームのプレイも可能なため、通信量はスマホユーザーの悩みの種になっている。そのため若者が入居者のターゲットなら、固定回線ではなく無線LAN(Wifi)を完備しており、スマホの通信料の削減にもなる!などといえばアピールになる。また、タブレットはWifiが前提のためタブレットの普及についても理に適った対応といえる。

インターネット回線を投資物件に敷く具体的な流れとしては、最初に設備投資で100万円程度が必要になり、概ね1部屋ごとに500~1000円が毎月の出費となる。そしてインターネット代金として家賃をプラス2000円しておけばいい。インターネット回線は個人で契約しても4、5千円が相場のため、この水準でも入居者も十分に安いと感じるだろう。この条件なら30部屋の物件で出費と差し引きで、毎月3万円(毎月1000円の利益が30部屋分)の設備収入としてプラスになる。それで容易に初期投資は回収でき、その後はプラスの賃料収入に寄与する。業者探しは「インターネット回線 マンション」であったり「インターネット回線 マンション 家主(または大家)」などとインターネットで検索して業者を探せばいい。

注意すべき点には回線速度の低下が挙げられる。相応の通信量をこなせる回線でなければ、一部のヘビーユーザーが大容量の通信を行うと、マンション全体の通信速度が落ちる可能性がある。これはクレームに直結する可能性があるため、予算との兼ね合いになるが、理論値でも通信速度が早い業者・設備を選択した方がいい。

また、セキュリティ面でも一応は注意が必要だ。マンション全体にWifiを行き渡らすと、近隣でタダ乗りされる可能性がある。もちろん、パスワードでのロックがかかっているが、少なからずITの知識があればロックを解除することもできる。当然ながら違法ではあるが、その間の入居者の通信速度(満足度)が下がる可能性がある。また、ルーターごと乗っ取られたりウィルスを仕込まれる可能性もあるため、業者選びの際にはITの知識があるかも判断の材料にしたい(知人でITに詳しい人がいれば同伴してもらうのも手だ)

以上がインターネットし放題で差別化についてだが、ITは日進月歩とはいえ通信回線が必要な点は変わっていない。回線を設けること自体は半永久的に入居者のメリットになるため、他物件との競合が厳しい場合にはリフォームなどと同時に検討したいところだ。また、何か不安があればネット・書籍だけでなく、不動産相談会(不動産投資セミナー)などで同業者の意見を聞いたりして、他者の意見を参考にするのも手だ。