ネット銀行の住宅ローンのメリット・デメリット

ソニー銀行の住宅ローンはメリット満載だがデメリットも!?

ソニー銀行は2001年にソニーが設立したインターネット銀行で、現在はソニー生命・ソニー損保と共にソニーフィナンシャルグループの中核を担っている。住宅ローンは設立の翌年から取り扱いを開始しており、毎月中旬に翌月の金利を発表するなど特色あるサービスを展開している。

ソニー銀行ならではのメリットがある一方で、当然ながらデメリットもある。以下、ソニー銀行の住宅ローンの金利以外(金利比較は住宅ローン比較 東日本編西日本編を参照)のメリット・デメリットを記述する。

まず下図では、ソニー銀行と一般的な都市銀行・地方銀行の住宅ローンで、手続き・借入までの日数・定額自動入金・保証料(+保証会社の手数料)・事務手数料・抵当権設定費用・一部繰上返済の手数料・ATM手数料・団体信用生命保険を比較した。

- 一般的な銀行 ソニー銀行
手続き ネット+書面郵送+来店 ネット+書面郵送(+面談)
借り入れまでの日数 1ヶ月~1ヶ月半 1ヶ月~1ヶ月半
保証料 借入金額100万あたり1~2万 無料
保証会社手数料 約3万円 無料
事務手数料 固定金利特約だと1万円 4万円or借入額の約2%
抵当権設定費用 借入金額の0.4% 借入額の0.4%
定額自動入金 有料or無し 無料
一部繰上返済手数料 有料またはネットのみ無料 無料
自行ATM手数料 無料だが時間外は回数制限 セブン・イオンは無料
コンビニATM手数料 有料 月4回まで無料
団体信用生命保険 無料だが三大疾病等は有料 無料だが三大疾病等は有料
ソニー銀行と一般的な銀行の比較(手続きの流れ・借入までの日数・定額自動入金・保証料・保証会社の手数料・事務手数料・抵当権設定費用・一部繰上返済の手数料・ATM手数料・コンビニATM手数料・団体信用生命保険)

まず手続き・借り入れまでの概算日数を一般的な銀行と比較すると、銀行に来店するか司法書士との面談で済むかの違いがあるだけだ。ソニーのファイナンシャルプランナーにお気軽に相談を、と謳っているだけに当然の結果ともいえる。

同じネット銀行として比較されがちな楽天銀行は最短20日(実際には自分が必要書類を返送するスピードにもよるが)で、必要書類をネットにアップロードするじぶん銀行は、最短10日で契約というスピードを実現している。手続き面では一般的な銀行と同等だが、他のネット銀行よりも劣るといえそうだ。

ソニー銀行の借り入れまでの契約プロセス

ただ、冒頭でも記述したように、ソニー銀行は月半ばで翌月の金利が発表される。スピード契約が必要な主たる理由が、手続きに手間取って翌月の金利にズレ込むことにあると考えるなら、契約に日数を要するのは必ずしもデメリットにはならない。

各種手数料については、一般的な銀行は保証料・保証会社手数料などで数十万円の負担になるが、ソニー銀行は他のネット銀行と同じく無料となっている。その代わりに、他のネット銀行と同じく事務手数料でローン借り入れ金額の2%を徴収される。ただ、手数料を減らした分だけローン借り入れ金利が上昇するが、事務手数料を4万円という破格の安さにできる。初期費用を削る有益な方法ではあるが、借り入れ期間が長いと金利上昇分の負担の方が大きくなるため注意が必要だ。

次に返済についてだが、じぶん銀行・住信SBI銀行と同じく手数料無料の自動入金サービスが存在する。ソニー銀行の場合は「おまかせ入金サービス」という名称だが、手数料無料で他の銀行からローン返済額が引き落としされるため、自動送金のように振込み手数料が発生しないメリットがある。

ソニー銀行のおまかせ自動入金サービス

おまかせ入金サービスがあるため、給与の銀行と住宅ローンの銀行を使い分けるというスタイルも可能だ。職場や居住地のATMの関係で銀行を使いわけたい人には、大きなメリットになるだろう。

ただ、ソニー銀行はセブン銀行・イオン銀行のATMが終日無料、その他のコンビニATM等でも月4回まで手数料無料と、ATMの使い勝手は悪くない。さらにソニー銀行間の振込み手数料は無料、ソニー銀行以外の他の銀行への振込みも月1回は無料だ。いっそのことメインバンクをソニー銀行にしてしまうという手も十分にアリだ。

ソニー銀行のATM手数料

ちなみにソニー銀行を利用するならSonyWalletというデビットカードで買い物をすれば、0.5%がキャッシュバックされるサービスもある。外貨預金の残高次第では買い物額の2.0%が毎月キャッシュバックされるため、クレジットカードのポイント特典・マイレージなどに興味が無いなら、ソニー銀行をメインバンクにしてキャッシュバックで恩恵を受けるという手もある。

最後に団体信用生命保険についてだが、ソニー銀行は一般的な銀行と同様に、死亡すると住宅ローンがゼロになる一般団信は無料で金利上乗せもない。ただ、三大疾病などの病気になると住宅ローンがゼロになる特約付きの団信だと、金利が0.2~0.3%は上乗せされる。じぶん銀行や住信SBI銀行だと、特約付きの団信でも特定のものは金利上乗せ無しで契約できるだけに、団信ではソニー銀行にはメリットが無いといえる。

ソニー銀行の住宅ローンについては以上だが、金利を度外視すれば、手続き・団信でイマイチな面もあるが、その他のサービスを見れば上々の銀行だ。住宅ローンを検討しているなら、借り入れ先の有力な選択肢の1つになり得るだろう。