不動産会社が語らぬ不動産投資に不都合な事実

不動産投資はリフォームの無限サイクルに巻き込まれる!?

アパート経営などの不動産投資では、空室というリスクが常に付きまとう。それを打開するにはリフォーム・リノベーションがカギとされるが、そのサイクルを考えると決して平坦な道とはいえない。ここに不動産会社が語らない不動産投資に不都合な事実が潜んでいる。

まず、下図の国土交通省の住生活総合調査の不満に思う項目(住宅の個別要素に対する不満率)の結果を見て欲しい。平成15年・平成20年・平成25年(2003年・2008年・2013年)の変遷が記されているのだが、赤丸は2003年から大きく順位を伸ばし、青丸は逆に大きく順位を落としているのが分かる。

住宅の個別要素に対する不満率

東日本大震災を経て地震への対策が重視されたり、それ以外の天災によってか住宅のいたみの少なさが重視され始めたのもかもしれない。もちろん、上図は持ち家についてのデータであるため、こと賃貸については話しは違うかもしれない。しかし、少なくとも5年・10年単位で人の住生活に対する考え方は変わることは確かといえる。

現在、賃貸住宅に関して多少の家賃の値上げがあっても欲しい項目には、オートロック・ウォシュレット・ホームセキュリティなどが並んでいる。その一方で、2007年~2008年の調査では、現在では主流になりつつあるバス・トイレの独立、フローリング・備え付けエアコンなどがある。

家賃が上がっても欲しい設備の変遷

もちろん、調査の細かい内容に差がある可能性は否定できないが、かつては出てきていなかった需要が、10年という時間が経過して出てきたのは間違いない。そこはかとない人間の欲望に不動産オーナーが応えてきた結果として変化があったともいえるが、裏を返せば変化しなければ入居者が集まらないともいえる。アパート経営に乗り出すということは、無限にに続くかに見える欲求へ回答し続けることへ乗り出すことを意味する。その覚悟があるのかどうかが問題となる。

以上が不動産会社が語らないリフォームのサイクルについてだが、このリフォームのサイクルに悩まされるのが嫌ならアパート経営から手を引くのも賢明な判断だ。これから乗り出すにしてもサイクルの先取りが必要になるだろう。不動産会社と建物に相当の工夫をしたり、不動産会社の不動産相談会(不動産投資セミナー)などを利用して、同業者の意見・経験談で打開策の糸口を探すのも1つの手だろう。