住宅を取得するための住宅ローンの基礎知識

住宅ローンの返済は元利均等返済と元金均等返済があるが!?

住宅の取得は普通は一生で1番高い買い物と呼ばれているが、それには住宅ローンの利用が必須といえる。その返済方法には元利均等返済と元金均等返済があるが、両者の違いとメリット・デメリットは何があるのか?

まず元利均等返済だが、毎回の返済額が一定で返済期間が経過するにつれて、その中に占める借入金の利息部分は徐々に減っていき、元金返済部分が増える仕組みになっている。メリットとしては、返済額が常に一定であるため返済計画が立てやすく、年収の増減があったとしても返済が滞る可能性が低い。

また、一般的に年齢を重ねるにつれて年収は増額される傾向にあるため、返済の後半になるほどに生活は楽になる。もちろん、返済の後半になれば子供が成長して大学の入学資金なども必要になるため、絶対に生活が楽になるとはいえないが。。。※子供1人に必要な費用はいくら?も参照

元利均等返済の返済イメージ

この元利均等返済が今では主流の返済方法で、民間の銀行の多くは元利均等返済のみが選択でき、後述する元金均等返済は選択できない。ただし、フラット35などを展開する住宅金融支援機構ではどちらの返済方法も可能になっている。

それでは元金均等返済についてだが、この返済方法は元金部分の返済額は一定で、金利の利払い部分は別途で支払うと考えると分かりやすい。金利の利払い部分は元金が大きいほどに多額になるため、返済開始時は利払い部分が大きくトータルの返済額も大きくなる。返済期間が経過するほどに返済額は減っていく。

の返済イメージ

この元金均等返済を選択すると、まずスタートから間もない段階が最も返済額が大きい。そのため相当に緻密な返済計画を立てないと、ローンを組んでから早々に生活に支障を来たすことになる。しかし、ローンを組んでいきなり一定額の元本を減らせるため、元利均等返済よりも総返済額は少額で済む。借入金が3000万円の場合には、利率・返済期間などにもよるが総返済額は100~200万円は少なくて済む。他方で返済額は元利均等返済よりも20%近く増すため注意が必要だ。

どちらの返済方法が有利か不利かは、職業・年収・子供の有無・自己資金の額などにもよってくるため一概にはいえない。しかし、元金均等返済の方が生活水準さえ維持できればお得なのは間違いない。例えば、自己資金が多ければローンの借入額は減るため元金均等返済を選択できるかもしれない。そもそも年収に対して借入金額が少なければ毎月の返済額は減り、元金均等返済を選択できる余地が広がる。一般的なケースよりも返済期間(定年までの期間)が長いというのも有利かもしれない。

もちろん、元利均等返済でも資金に余裕があれば繰上返済という手があるため、是が非でもと計画を練る必要はなく、フラット35なら2つの返済方法を自由に変更できるため、初めは元金返済方法で苦しくなったら元利均等返済にスイッチするという考え方もできる。

以上が住宅ローンの返済方法についてだが、冒頭で記述したように銀行によっては返済方法に選択の余地がない。そのため住宅ローンについて銀行に相談するのもいいが、ファイナンシャルプランナーの無料相談を利用して、中立に近い意見をもらうというのも手かもしれない。