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アパートローンで融資を受ける時の自己資金の額はいくら!?

アパート経営などの不動産投資では、自己資金のみで開始することは不可能に近いためアパートローン(略してアパロン)や不動産投資ローンを利用した、銀行からの融資が大前提となる。融資が受けられなければ、どれだけ良い物件があっても無意味だ。それでは、融資を受ける際に目安として自己資金は何%の比率で幾ら程度は考えておけばいいのだろうか?

まず、自己資金ゼロのフルローンだが、急激な金利上昇のリスクや借入金の利息支払いを考えれば妥当な方法とは言い難い。特に手元資金が十分に無い状態では、突発的な修繕費や予定外の空室率の上昇によって、早々に利息の支払いが滞り資金がショートする可能性が高い。

そもそも不動産投資ローンも、株式の信用取引・外貨取引(FX)にようにレバレッジ(てこの作用)が働いていると考えるべきだ。自己資金500万円なら借入金が2000万円で4倍、借入金が5000万円なら10倍だ。一応、不動産投資の場合には担保に建物・土地があるが、自己資金ゼロならレバレッジは事実上は無限大(他の収入があっても)となる。その意味で、少なくとも投資・経営などという文言が付いていることから考えても、何かしらの特殊事情が無い限りはフルローンは邪道といえる。

また、銀行側としても、バブル全盛期とは異なり貸倒れのリスクが高いことは重々承知のため、フルローンの融資には高いハードルを設けている銀行が多い。そもそも、一定程度の資金を集められないような人には、資金管理能力や収支計画が立てられるとは思えないというスタンスもあろう。

それでは借入金に対して、どの程度の自己資金が望ましいか? 基本的に甘めで20~30%、辛めでも10~20%は欲しいところだ。逆に自己資金が50%であれば、銀行は容易に融資してくれるだろうがレバレッジが2倍と考えると物足りない。自己資金が30%程度になるまで借入金を増大させるように交渉(ないしは別の物件も購入する)という手を考えてもいい。

ただし、全てのケースにおいて前段のような考え方で臨むのは間違っている。あくまで目的に応じて、どの程度の自己資金を積むかを考えるべきだ。相続が目的であれば、それこそ自己資金の比率は限りなく100%に近い水準であっても、何ら問題はない。節税という観点に立てば借入金があった方がベターだが、それでも上述のような比率は論外だ。また、他に本業があって不動産投資は副業・副収入で事業拡大も考えていないなら、この場合も生活に支障を来たす可能性が高くなるため自己資金比率は高めに越したことはない。上述の比率は、あくまで今後も事業拡大を考えている場合に限られよう。

また、自己資金の比率云々以前に、自己資金の絶対額にも注意が必要だ。自己資金が100万円だと、自分が住むための住宅ローンはさておき不動産投資ローンでは難しい。あくまで目安ではあるが、最低でも500~1000万円は欲しいところだ。不足する分は属性など(融資のポイントを参照)で補完する必要がある。これは冒頭に述べたフルローンに近い形になるのもあるが、そもそも不動産投資で取得する建物・土地の価格が数千万円単位であることにも起因している。仮に自己資金が100万円で3000万円の投資物件を取得するとすると、そのレバレッジは30倍、自己資金の比率は約3%となる。そういったこともあり、自己資金の絶対額で切られることも忘れずにおきたいポイントだ。

以上が不動産賃貸で融資を受ける際の自己資金についてだが、あくまで目安であって銀行によって差異があるのは間違いない。そのため、1つの銀行でダメでも他の銀行であれば状況は異なる可能性がるためチャレンジする価値はある。また、アパートローンについて不安に思うことがあればFP・銀行への無料相談は元より、不動産会社の不動産相談会(不動産投資セミナー)などを利用して同業者の意見を得るのも手だろう。