不動産の取得・保有と税金

不動産の取得から保有中に発生する税金は意外と多い!?

不動産(土地・建物)を売買し取得して保有するまでに、多くの税金が手を変え品を変え課税される。不動産を取得する際には、その売買価格にばかり目が行きがちだが、それに付随して課される税金も一般的な買い物よりも多額になるため、それを見越して予算を組んでいかないといけない。まずは下図の不動産の取得から保有までの課税フローを見て欲しい。

不動産の取得から保有までの課税フロー(仮契約・本契約・支払い・所有権の移転・保有)

特筆すべきは本契約前の仮契約の段階で印紙税が発生する点だろう。たかが印紙税と侮るなかれ、契約金額が1000万超なら1万円、5000万円超なら3万円に及ぶ。これが仮契約から本契約、途中に入ることもある念書・覚書にも発生する。負担は買主と売主の折半が多いが、それでも契約初期から手付金などとは別に費用が発生するのは覚えておいて損は無い。

次に売買代金の支払いの段階では、不動産取得税と消費税が発生する。不動産取得税は住宅であれば3%で、5000万円の物件なら150万円となる。消費税は土地の売買なら課税されないが、建物だと課税されるためマンションなどの購入時には消費税も加味して計算しないといけない。また、支払いは一括ではなく手付金・内金・残金と分かれるため、その度に発生すると考えた方がいい。

そして物件の引渡しの一歩手前の所有権の移転になると、登録免許税が課される。これは固定資産税評価額(売買額の7割程度※詳細は土地価格の仕組みを参照)に、0.15~4.0%の税率をかけた額だ。固定資産税評価額で3500万円で0.15%の税率だと5万円程度になる。

最後が固定資産税都市計画税で、これらの税金は不動産を保有する限りは支払うことになる。前者の税率が1.4%で、後者が最大0.3%が固定資産税評価額にかけた額が支払う税金額となる。3500万円だと年間60万円を毎年負担することになり、ローンを組んで購入した人には重ねて負担となる。ただ、新築住宅であったり住宅用地であれば軽減措置が受けられるため忘れずに手続きをしておきたいところだ。

以上が不動産取得から保有中に課される税金だが、既述の通り取得するスタート段階から数万円から数十万円が税金として徴収されていく。その間に内金(+中間金)に残金などがあることも考えれば、冒頭でも既述したように税金も加味した相応の予算を念頭において不動産の売買を考えておく必要がる。また、取得するまでは不動産会社・ハウスメーカーなどがサポートしてくれるだろうが、取得後は固定資産税の支払いがあり住宅ローン控除を受けるなら確定申告が必要になる。何か不明点があれば、ネット・本などで調べると共に税理士の電話無料相談や、自治体主催の無料参加できる税金セミナー・確定申告相談会なども利用してミス(追徴課税)が無いようにしたい。