生命保険 解説・用語集

医療保険の手術給付金で考えるべきポイントとは?

医療保険には、手術を受ける際に手術一時金として給付金を受け取れる保険が多い。医療保険では入院給付金通院給付金と共にメインともいえる保障だが、複数の保険会社の医療保険を比較するうえで確認・チェックすべき点は何だろうか?

まず考えるべきは「手術給付金の額」だ。一般的には入院給付日額の10~40倍の手術給付金を受け取れるケースが多いが、なかには手術の種類に関わらず一律の金額にしている保険会社もある。手術費用の相場は病状によって千差万別だが、手術単体では概ね平均20~50万、一部の高度な技術を要する心臓のバイパス手術等だと100万円程度になる。

入院給付日額が5,000円の場合は40倍の病気に該当すれば20万円の手術給付金が受け取れるが、それでも不足する可能性(基本的に支給倍率が高い手術ほど手術費用も高く、支給倍率が低い手術は手術費用は安いため)もある。かといって、そのためだけに入院日額を増額すれば保険料が増額し、家計への負担が大きくなり過ぎる。そのため不足する可能性を考慮して、20~90万円の貯金をしておくことをオススメしたい。手術保険金が一律で10万円の保険なら、なおさら貯金は不可欠だ。全てを保険で賄うという考え方は持たない方が賢明だ。

次に「給付金の対象となる手術」だが、以前は保険会社が定める88項目のみが対象であったが、現在は健康保険が利用できる手術は手術給付金の対象とする(健保連動)のが主流だ。一応、88項目ではないかを確認する必要はした方がいいだろう。また、見かけ上は健康保険が適用される全ての手術を対象としていても、88項目以外の手術に対しては給付金の額を大きく削っている保険会社も存在する。自分で病気を選択できない以上は健保連動を選択するのが無難だ。

最後に「日数制限」と「回数制限」だが、医療保険では一部の手術(放射線照射術など)は60日に1回という制限が付いている。これは医療保険の契約数が多いアフラックでも同様で、一応は覚えておいて損は無い。また、1回の入院に対して1回だけ手術給付金が受け取れる、という縛りが存在している保険もあるため確認が必要だ。とはいえ、膨大な数の病気・手術の中で自分がどれに罹患するかなど分かろうはずもない。ここでも前述した貯金というバッファが効いてくる。

以上の点を確認しておけば、とりあえずは事足りるだろう。とはいえ、もちろん平均の数字を用いた試算であり、ケースバイケースで不足する可能性も過分になる可能性もある。そのため全てを保険でカバーするということは考えず(そもそも保険会社が保険金支払いを渋る可能性もあるため)、一定額の貯金を確保し、そのうえで保険を検討すべきだ。また、若いうちから保険を契約するなら保険料は安いが、将来的に保険を見直す可能性がある点は抑えておきたい。