投信・預金/資産運用 解説・用語集

バリュー・ファンドはバリュースタイルで投資している?

バリュー・ファンドとは、株式に投資し運用する株式型ファンドの1種で、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの様々な投資指標を用いて、現在の株価が割安だと判断した株(バリュー株)に投資する投資信託を意味する。ほぼ対義語にグロース・ファンドがある。

基本的には割安株は、業績や収益が株価に適正に反映されずに、市場で放置されている株だ。それが適正に市場で評価されれば、株価が値上がりした分だけ、投信の利益となる。このような投資方針は「バリュー・スタイル」と呼ばれ、バリューファンドの基礎的な考え方となる。理論上は何ら問題はないが、市場から放置され続ける可能性、確かに割安だが企業の業種からして先が暗い企業に投資してしまった場合には、半永久的に利益が出ない可能性がある。

例えば、製紙業では利益水準からして割安な株式が多いが、電子化の流れが進む中では、製紙に関して何らかのイノベーションがなければ未来は暗い。また、株価が動かなければ良いが、株式市場全体が下落基調にあれば、バリュー株も流れに乗って下落し投信に悪影響を与える可能性がある。

また、バリュー・スタイルで投資している投信でも、交付目論見書にバリュー・ファンドと記載しているのは稀だ。ただし、バリュー株に投資している旨の、類似の記述は必ず記載されている。例えば、「割安株に投資します」「市場平均に対して割安な株式銘柄に投資します」「企業の収益性と株価を鑑みて投資銘柄を選定します」等々が挙げられる。個人投資家としては投信を購入する前に、その投信の交付目論見書の運用方針の箇所をチェックしておくのが肝要といえる。