投信・預金/資産運用 解説・用語集

投資信託の信託報酬の相場と注意点!

信託報酬とは、投資信託財産の中から日々徴収される投信の運用・管理に要する費用を意味する。当然ながら、個人投資家が100万円分の投信を購入すれば、信託報酬が年率0.3%なら、信託報酬3,000円を365日計算で日々徴収されていることになる(実際には信託財産は日々変動するため、信託報酬額は前後する)

信託報酬は約1~2%程度が相場となっているが、一般的に株式型投信の方が公社債型投信よりも高い傾向にある。これは株式型の方が企業調査分析等に手間がかかり値動きも激しいためだ。また、海外型の方が国内型より高いのは、情報収集の手間に加えて為替の管理が必要になるためだ。さらにアクティブ型投信の方がインデックス型投信よりも高いが、これはインデックス型投信はインデックスを構成する銘柄を構成比通りに購入するだけなのに対して、アクティブはゼロからパフォーマンスの良い銘柄を探して配分を考えなければならないためだ。

また、信託報酬は運用会社・販売会社・受託銀行の3社で分け合うことになる。運用会社には運用のための費用や報酬として、受託銀行には資産を管理・保管するための費用として、販売会社には分配金償還金の支払い事務費用や事務代行費用として支払われる。ちなみに、信託報酬の配分は3者の合意に基づき決められる。ただ、実際には資産を保管しているだけの受託銀行への配分は少ない傾向にあり、また、手数料無料のノーロード型投信では、手数料分だけ証券会社・銀行などの販売会社には収益が少ないため、信託報酬を高めにして販売会社に厚めに配分されるケースもある。

個人投資家としては、手数料に次いで高い費用の1つであるため、可能な限り安価な投信を選びたいところだ。最近では少しずつではあるが、信託報酬を実績報酬制(成功報酬・パフォーマンスフィー)を採用する投信も出ている。これは、従来の一律の信託報酬率ではなく、基準価額の増加などの一定の成果に応じて運用会社に報酬が支払われるシステムだ。どうしても従来の信託報酬に納得いかない人は、このタイプの投信を探してみるのも手だ。ただし、当然ながら信託報酬を重視しすぎて、市場環境・経済動向に反した投信を購入しては元も子もない。複数の同型の投信で迷っている場合などに利益を追求するために、より安価な信託報酬を設定している投信を選ぶ、といったことを基本スタンスにすればいいだろう。