投信・預金/資産運用 解説・用語集

投信・ファンドのスイッチングはお得さ満載だが?

ファンドのスイッチングとは、1つのファンドを形成するグループのファンド間で乗り換えることを意味する。例えば、Aファンドを解約して、解約で戻した資金でBファンドを購入するといった具合だ。その場合には手数料が割引されたり、信託財産留保額が発生しない場合もある。

注意したいのは、あくまで1つのファンド・グループの中で業種・為替を変更する際のことを指している点だ。同じ運用会社でも完全に別物の投信ではスイッチングにならず、通常通り手数料も信託財産留保額も発生する。例えば、A投信のUSリート・レアルから、同じくA投信のUSリート・トルコリラといった具合にA投信のUSリートという同じグループ間でヘッジする為替を変えるだけというパターンが挙げられる。

例えば、上述の例の場合、仮にブラジルで急な暴動や政権交代などの要因でレアル安円高となり、今後も長期で進行しそうな場合には、同じく高金利通貨であるトルコリラにスイッチングするといった使い方が考えられる。また、業種選択ファンド(セレクトファンド)で、業種をスイッチングできるタイプのものも存在する。その場合には、特定の業種の代表銘柄とも呼ばれる企業の見通しが芳しくなく、他業種で成長力が見込める業種に変えるようなパターンが考えられる。

ただし、注意しなければならないのは、いくら手数料が割引or無料となるからといって、安易にスイッチングをしないことだ。大抵、相場は全体で動くこともあるが(1国に対してのみ円高が進行することは少なく、大抵は全ての通貨に対して円高が進行する)、それよりも投信は基本的に中長期で保有することが方針のためだ。目先の相場環境だけでなく、中長期視点で運用報告書や月次レポートのファンドマネージャーのコメントを参考に決断すべきだろう。