家族・親族の死亡後の手続き・届出

家族・親族が亡くなったら健康保険の資格喪失届の手続きが必要!

家族・親族が亡くなると誰でも少なからず動揺するし、頭が真っ白になる人もいるだろう。ただ、家族・親族が亡くなったなら「死亡診断書・死亡届・埋火葬許可申請書」は早めに提出する必要がある。死後7日以内の期限が設けられているが、これらを提出しないと葬式・葬儀ができないため可及的速やかに提出する必要がある。

その次に早めの提出が必要となるのが、健康保険の資格喪失届だ。国民健康保険(通称:国保)であれば死後14日以内が提出期限となっている。そんなもの遅れても支障は無いと思うかもしれないが、提出が遅れるようだと経過した日数分の保険料の支払いを求められることもあるため、期限内に早めに提出した方が賢明だ。

国民健康保険被保険者資格喪失届の記入例イメージ

さて、この資格喪失届だが、その名の通り健康保険の資格が喪失するため、資格喪失届の提出と同時に保険証の返却が必要となる。例えば、夫・妻・子供の3人家族で3人とも国民健康保険の加入者で、亡くなったのが世帯主の夫であれば夫の保険証だけ返却すればいい。新たに国保に加入する手続きは不要で、保険料は次の世帯主(前述の例なら妻)に再計算された金額で通知が来る。ただ、世帯主が変われば、妻・子供の保険証は新たな世帯主に書き換えた保険証になる。

ちなみに、亡くなったのが70歳以上だった場合には保険証だけではなく、高齢受給者証も返却する必要があるため忘れずにおきたい。この高齢受給者証は病院での自己負担割合を示す証明書で、人によって1~3割負担などと記載されている。

このように大抵は亡くなった当人の保険証を返却すれば良いのだが、夫が勤務先の社会保険(健康保険組合・共済組合)に加入している場合には、健康保険組合から国保への変更などの別の手続きも必要となる。詳細は現役の会社員の死亡時の手続きを参照して欲しいが、国保になれば保険料負担が次の世帯主に発生する点も忘れずにおきたい。また、夫・妻・子供で死亡したのが妻で、妻は夫の勤め先の健康保険組合に加入している場合にも、扶養控除異動の手続きが必要となるため注意が必要だ。

扶養控除異動の申請書の記入例イメージ

また、健康保険の資格喪失届と同時に「健康保険の葬祭費の申請」もできると、時間と手間を省ける。この申請をすれば葬祭費として、1~5万円が自治体から支給される。ただ、こちらは死後2年内の申請でいいため、後回しにして落ち着いてから申請してもいいだろう。

以上が健康保険の資格喪失届についてだが、その他に死亡・相続について不明点・疑問点が出てくることもあるだろう。ネット・書籍などで情報収集しても腑に落ちないなら、葬儀社に尋ねるか各自治体の窓口に問い合わせるといいだろう。また、死後事務委任契約を結んでいれば、弁護士・行政書士・司法書士が死後の手続きを済ませてくれる。まだ亡くなる前で1人暮らしをしている高齢者なら検討の余地があるだろう。