損害保険 解説・用語集
交通事故傷害保険の意味と価値は?
交通事故傷害保険とは、国内外を問わず乗り物に搭乗中、ないしは乗り物との接触・衝突によるケガに対して保険金が支払われる保険を意味する。
冠に交通事故という名称が付いているが、その保険金支払いになる状況は一般的なイメージよりも広い。
まず、国内外で補償される点だ。仮に海外旅行中であっても、自動車と接触してケガをすれば保険金が支払われる。傷害保険のポイントは、この場合に仮に海外旅行保険に加入していても、それとは別に定額で保険金が支払われる点だ。2重で保険金を受け取ることになるが、傷害保険は保険金調整の考え方が適用されない例外的な保険のため安心して保険金が受け取れる。ただし、保険会社によっては国内に限定しているものもあるため、加入前には注意してチェックしておいた方が賢明だ。
また、乗り物という意味も広い。普通は自動車・電車がイメージされるが、それ以外にも飛行機・自転車をはじめエスカレーター・エレベーターも乗り物に含まれる。エスカレーターに乗っていて、前にいる人が詰まって転んでケガをした場合も補償対象となりうる。考え方として「乗り物」というよりは「移動中」のケガと考えた方が分かりやすい。
そして、事故の状況に関しても乗り物に搭乗中の他、乗り物による接触・衝突によるケガが補償される。普通は自動車乗車中に自損事故を起こしてドライバーがケガをする場合などがイメージされるが、それだけに留まらない。自動車でも停車中に追突されても、ドアに手を挟んでも、車に足の指を轢かれようとも補償対象となりうる。電車でも搭乗中に脱線・衝突事故で怪我をした場合は元より、駅構内で電車に接触した場合、駅構内の階段で後ろの人に押されて転んでケガをした場合、満員電車の中で圧迫されて骨折・気胸になった場合も保険の対象となりうる。こちらも「移動中」にケガをするというニュアンスの考え方を持った方が実態に近い。
以上のように、移動中に起きるケガの可能性に対して補償が受けられる点で利用価値がある。基本的に、家の中(屋内)にいる場合は軽傷になる可能性が高い点を鑑みれば、普通傷害保険ではなく交通事故傷害保険の方が効率的に利用できると考えられる。自動車保険の補完、医療保険の補完(医療保険はケガではなく病気を補償する点で違いがある)に検討するといいだろう。