損害保険 解説・用語集

火災事故の状況(件数編)

2012年版の総務省の消防白書によると、日本における火災事故(火事)は年間で約5万件発生している。人口で割った出火率でいえば、年間で1万人のうち約4件の発生率であり、万一よりは高い確率で火事に遭遇する計算だ。

また、1日あたり137件の火災が全国のどこかで発生している。1時間に5件の火災が発生している。それでも自動車事故の確率よりは低く、もちろん件数でも年間65万件と5万件では大きな差がある。それが火災保険の加入率が低い要因の1つといえそうだ。

火事の発生件数の推移

年間の推移を見ても、平成13年(2001年)をピークに火災の発生件数は減少している。同様に火災による死者数も減っている。しかし、死者数の減少は底打ちしてしまった感もある。これは日本の高齢化が起因している。というのも、火災での死亡者の死因の約50%である逃げ遅れなのだが、高齢者になるほど逃げ遅れる可能性が高まるためだ。高齢者の方が、代々引き継がれた木造の家屋に住んでいる比率も高いのも要因といえそうだ。

火災で逃げ遅れる人の年齢層

とはいえ、火災保険で補償されるのは建物・家財に限定されるため、契約者が火災で死亡しても、建物・家財以外には保険金は支払われない。その場合には生命保険を利用するしかない。火災保険で火災・風災・水災に備えるのであれば、自分の年齢も加味して生命保険も検討する意義はある。ローンで住宅購入して既に生命保険に加入しているなら特に増額する必要はない。