損害保険 解説・用語集

次に日本を襲う大地震とは?

古くは1923年の関東大震災、1995年の阪神淡路大震災、そして2011年の東日本大震災が日本を襲っている。それでは次に日本を襲う大震災は、何が想定されているのだろうか。

次に日本を襲う大地震(プレート及び年表)

まず地震の原因だが、東日本大震災の原因は左図の日本海溝+太平洋プレートのプレート(岩盤)間でのズレであった。それに対して、阪神淡路大震災の原因はプレートではなく、神戸市から淡路島に伸びる活断層(過去にも活動し今後も活動して地殻変動を起こす可能性の高い断層)が原因とされている。すなわち、プレートを元にした地震以外に、活断層による地震が起きる可能性がある。

プレートを原因として今後起きるであろう大地震には「南海トラフ地震」がある。政府の地震調査委員会が発表した内容からすると、2043年までにマグニチュード8以上(おそらく震度5~6以上の地震)が起きる可能性は60~70%としている。これは、もはや避けては通れない事実であり、現に地震保険の保険料は南海トラフ地震の被害が出そうな地域の保険料が上昇している。

そして、東日本大震災後に俄かに騒がれ始めたのが、南関東を襲う首都直下型地震だ。こちらは阪神淡路と同様に活断層によるものだ。右図の年表では200年で静穏期と活動期が繰り替えされており、現在は活動期と分かる。ただ、この年表を見るだけでは、競馬で3年置きに3番人気の馬が勝つといった程度の信頼性でしかない。

しかし、東京には著名なところでは立川断層・深谷断層・綾瀬川断層が活断層であることが確認されている。それ以外にも諸説で様々な断層があると考えられている。活断層の定期的な活動周期と考えれば安易に看過はでまい。政府も首都直下型地震への対策要綱なども作成・改訂しており、こちらも発生する可能性は低くはない。

都道府県別の震度6以上の地震発生の可能性分布図

そして、上図が2つの地震も加味して地震調査委員会がまとめた、都道府県別の震度6以上の地震が今後30年間に起きる可能性のヒートマップだ。東海・四国地方と関東圏で大地震が起きる可能性が高いとされている。都市でみれば東京・名古屋・大阪が含まれている。もしも、南海トラフに触発されて関東にも地震が起きれば、日本人の民度からしてリセット・ザ・ワールドとはならないだろうが、相当の混乱が見込まれる。地球は一繋ぎで構成されているため可能性としては否定できない。。。

もちろん、過度に悲観視する必要はない。政府・各種機関がまとめたのは確率でしかない。所詮は政府が、いざという時に叩かれないように予防線を張っただけとも考えられる。ただ、万が一に備えて準備しておくは、無価値ではない。住居・建物の立地・耐震性強化は元より、地震保険も決して無駄金ではないと考えていいだろう。