損害保険 解説・用語集

火災保険の補償範囲は?

火災保険は、建物・家財に生じた火災だけでなく、落雷・台風・竜巻による損害に対しても保険金が支払われる。ただし、契約タイプによっては補償範囲外となるケースもあるため注意が必要だ。一般的な名称例でまとめると、補償範囲は下記となる。※エコノミー(最小)・スタンダード(標準)・ワイド(補償充実)とする。

火災保険のエコノミー・スタンダード・ワイドプランの補償(火災・火災爆発・落雷・風災・ひょう災・雪害・水災・地震・噴火・津波・盗難・水漏れ・物体衝突・破損)

まず、どのタイプでも共通しているのは、火災・爆発・落雷・風災・ひょう災は補償の範囲内という点だ。火災・火災爆発だけでなく、落雷・台風や竜巻などの風災、ひょうが空から降ってきたり、大雪で家が潰されるといった雪害で住宅に損害が出た場合でも、火災保険に加入していれば保険金が支払われる。差が発生しているのは、最小補償では水災が補償されない点だ。水災には台風による床上浸水などが該当する。

さらに、俗に言う泥棒(盗難)で住居・家財が破壊された場合や、隕石などの物体落下・衝突で損害が出た場合もエコノミーでは補償外となるケースが多い。そして、昨今では加えて破損の補償が付けられる火災保険も存在する。偶発的な事象で(テレビを動かそうとして地面に落として液晶が割れた等)でも補償が受けられる充実したものがある。

また、どのタイプでも地震・噴火・津波による損害は火災保険の対象外という点で共通している。勘違いしやすいが、地震・噴火・津波で発生した火災でも、建物が半焼以上の損害がれば火災保険から保険金は支払われる。しかし、その場合に支払われる地震火災費用保険金は、保険金額の5%程度に留まる。3,000万円の建物なら150万円となる。さらに注意したいのは、地震・津波などで建物が破壊された場合は地震火災費用保険金は支払われず、あくまで地震・津波の後に火災が発生した場合にのみ支払われる。そのため、あくまで地震・噴火・津波の対策は地震保険に委ねることになる。

一定程度の差異はあるが、基本的にはスタンダードプランで十分だろう。エコノミータイプでも良いが、水災の保障はあるに越したことはない。床上浸水となると1階の家財(電化製品など)がほぼダメになる可能性があるためだ。もちろん、南海トラフなどの今後予想される地震のプレート上に家があるような人は、地震保険も検討した方が良いだろう。