損害保険 解説・用語集
携行品損害とは?
携行品損害とは、国内・海外旅行中に持ち物が破壊ないしは盗難に遭った場合に補償される海外/国内旅行保険の補償の1つだ。典型的な例はスーツケースが破壊された場合などがある。「旅行中」というのは、旅行のために自宅を出てから帰宅するまでを意味するため、目的地(観光地)に到着するまでの移動中でも期間内として保険金は支払われる。
ただし、注意したいのが補償外の物が幾つか存在する点だ。代表例が現金・小切手・クレジットカードだ。なぜなら現金は紛失した額を水増しすることで、保険を悪用される可能性があるためだ。定期券・コンタクトレンズ・メガネ・義歯(差し歯)も補償外で、定期券は残っている残存期限が不明瞭、コンタクト・メガネなどは旅行を原因として破損したのを保険会社が検証するのが難しいのと、度数などの問題が理由だろう。
例えば、旅行中の食事で差し歯の調子が悪くなった、メガネに傷がついているのを旅行中に気づいた、旅行中にコンタクトの度数が合わなくなったのは故障だ等々、旅行のせいで故障したとは言い難い状況が数多く想定される。危険なスポーツの用具(ロッククライミング・サーフィンのサーフボードなど)も対象外だ。もともと自ら望んで物が壊れる可能性のある運動をする人の持ち物は、壊れることが前提のため補償外となる。同様に、米国ではスーツケースにTSA以外のカギを閉めていると、治安・安全上から破壊されても文句はいえない。こういった場合も補償外となる。
さらに、注意したいのは携行品全体の上限金額と一点あたりの上限金額、時価によって携行品の補償が行われる点だ。スーツケースを丸ごと盗難にあって、PC・デジカメ・衣類・時計を合算して100万円を超えても、上限金額が30万円なら30万円までしか補償されない。また、高額な一眼レフのデジカメでも、1点あたり10万円が限度の保険なら10万円までしか補償されない。また、時価(消耗年数が加味される額)になるため、購入時には30万円のハイスペックPCでも、使用年数が10年を超えれば、その分を加味した額が保険金として支払われる。PCの場合は10年経過すれば現在の水準ではハイスペックとはいえないだろうが。。。
以上のように、幾つかの注意点もあるが、旅行券・航空券を紛失した場合でも補償されたり(上限5万円程度)、現地で購入したものも補償内とされる(海外で高級バッグを購入した場合など)点から考えれば、あって困らない補償といえる。現在では、携行品損害もカバーした海外旅行保険が無料で付帯したクレジットカードも数多く存在する。自分のカードを確認し、旅行保険が付帯した新しいカードに切り替えるのもいいだろう。また、火災保険にも付帯しているケースがあるため、そちらも確認する、無駄に保険料を支払わずに済むだろう。