純金積立のメリット・デメリットと税金

純金積立のメリット・デメリットと税金を解説!

純金積立は、一定額の純金を毎月購入して積み立てる資産運用の一種だ。積み立てた純金は売却して現金にしても良いが、地金商(もしくは商社・証券会社)によっては純金製のジュエリー・バー(金の述べ棒)等に交換することもできる。それでは、純金積立のメリット・デメリットには何があるのだろうか? そして如何なる税金が課せられるのか?

まずメリットだが、何は無くとも少額から純金が購入できる点にある。金地金であればキロバー(1キロ)で400~500万円は必要で、一気に購入するには気が引ける人も多いだろう。そう考えれば、金投資の第一歩としては純金積立のハードルは相当に低い。

さらに、積立は定期的に同額を購入するため、ドルコスト平均法の効果がある。一般的に、購入するタイミングをバラスことで購入額が平均化されるため、一度に一気に購入するよりは価格変動の影響を受けにくくなる。しかし、このドルコスト平均法も万能ではなく、長期的に続く下落画面では修行僧なみの我慢が強いられたり、売却するタイミング次第では効果が無いこともある(詳細はドルコスト平均法を参照)

純金積立のメリット・デメリット一覧

他方でデメリットとしては、価格変動リスクがあり元本保証でない点が第一に挙げられる。この価格変動は当然ながらゴールド自体の価格変動もあるのだが、為替の影響を受けることを忘れてはならない。日本は金産出国ではなく、基本的に金は海外からの輸入に頼っている。そのため、円安になれば国内の金価格は上昇し、円高になれば国内の金価格は下落する。仮に海外の金価格(ニューヨーク金先物)が10%上昇していても、為替が円高方向に10%動けば意味がないということだ。ただ、デメリット・メリットの2面性があるため、一概にデメリットとはいえない。

また、取引コストが高いのもデメリットの1つだ。金地金であればキロバーや500グラムのグラムバーであれば、購入手数料は無料としていることが多い。しかし、純金積立だと購入する度に購入額に対して手数料を2.5%をとられたり、年会費をとられたりすることがある。地金商・証券会社の選択が肝になる。

忘れがちだが、ゴールドには利息が発生しない点もデメリットといえる。ゴールドにせずに普通預金にしても定期預金にしても、金利で少なからず増加する。しかし、ゴールドだと金利が発生せず価格の上下によってのみ利益が発生する。価格変動による利益の対価として金利を捨てているとも考えられるが。。。

メリット・デメリットは以上だが、それでは税金面ではどうだろうか。純金積立も金地金の場合と同様に、売却益は譲渡所得として課税され、他の給与所得などと合算して課税される。詳細は金地金と税金を参照してほしいが、他の譲渡所得が無いなら控除を考慮して、売却益(売却額から購入額を差し引いた利益額)が50万円を超えると課税される。また、5年以上の保有をしないと課税額が2倍にアップするため注意が必要だ。

以上のように、純金積立はメリット・デメリットが錯綜している。金地金よりも取引コストが高い等がある分だけ不利な感もある。その代わりのドルコスト平均法も決して万能な手法でないことを考えれば、デメリットの方が多いかもしれない。しかし、金投資へのハードルとしては間違いなく低いため、取っ掛かりとしては悪くないといえよう。