マンション投資における収益物件の探し方と売買

投資物件が日当たりが良いに越したことはないが!?

不動産投資の第一歩が投資物件・収益物件探しだが、その際の最終段階では一般的に日当たりの確認がチェック項目として挙げられることが多い。もちろん、投資物件が南向きで日当たりが良いに越したことはない。特に一棟買いではなくワンルーム投資などを検討している人は日当たりも確認すべき項目ではある。

ただし、投資物件のターゲットによっては日当たりは必ずしも必須項目ではない。というのもターゲットが社会人なら、日中は勤務中で帰宅は日没後か夕方のため日当たりは無関係で、学生でも授業やサークル活動などで日中に家を空けていることが多い。むしろ夜更かしをして眠いのに朝から日差しが眩しくない方がいいともいえる。現にインターネットの賃貸物件の検索情報では、日当たり(南向き)という項目が設けられていないサイトも存在する。単身者向けであれば特段神経質になるほどではないだろう。

また、日当たりが重要となるのは主に洗濯後の乾燥という観点に立てば、夫婦・ファミリー向けの物件なら日当たりは少なからず、賃借人の洗濯に影響を与える可能性がある。これらのターゲットであれば、1人よりも2人、2人よりも3人と必然的に洗濯物が増える多く、日当たりは物件の選択要因となっている可能性がある。ただ、昨今では乾燥機の普及や部屋干しでも臭いが付かない洗剤が開発されるなど、洗濯~乾燥の技術は日進月歩だ。さらに夫婦でも女性ものをベランダで干したくない人が多いことを考えれば、やはり日当たりの重要性はかつてよりも減退しているといえよう。女性の単身者(社会人)が増えていることを考えても、同様に考えられる。

ただし、完全に日当たりの重要性が無くなったわけではない。洗濯を除いた日当たりの意義のには湿気対策と冬の防寒という側面がある。特に日当たりが悪く湿気が多い物件(ないしは地域特性として湿気が多い)であれば、カビの繁殖や物件の腐食・腐敗が想定以上に進行する可能性があるためだ。これは賃借人の利便性云々だけでなく、不動産オーナーとしても由々しき問題となるため、日当たりが悪いなら併せて湿気を確認したいところだ。

また、日当たりが悪い物件は、総じて窓際から寒気が漏れやすい傾向にある。賃借人のことを考えるなら窓のサッシ(世界的に見れば時代遅れ感が否めないアルミサッシを採用しているのは日本ぐらいのもの)に一工夫する必要があるかもしれない。ちなみに、アメリカではアルミサッシの断熱性が悪くアメリカの中で24州で使用禁止になっている。現在では樹脂の入ったサッシがYKK APや三協アルミから発売されており、それらは断熱性は元より結露もアルミサッシよりも抑えられるメリットがある。入居希望者には少し分かりにくいアピールポイントだが、地域によっては検討する余地はある。

以上が不動産投資における日当たりの重要性についてだが、かつてより日当たりの重要は薄れているものの、ターゲットや地域の特性によっては未だ必要性が無くはないといえる。とはいえ必ずしも不動産投資の答えは1つではないため、不動産会社・FP・銀行などの専門家の意見を取り入れたり、不動産相談会(不動産投資セミナー)や相続相談会などを利用して総合的に判断することが重要だ。