アパート経営での入居募集や維持管理など

不動産オーナーは施設賠償責任保険で施設不備による賠償をカバー!

不動産投資・アパート経営では、空室リスクや天災リスクもさることながら施設・設備の不備によって入居者にケガを負わせるリスクもある。その場合、施設が壊れるよりも多額の賠償額になり、さらに空室も発生する(はず)という大きなマイナスになる。それを少しでも軽減できるのが施設賠償責任保険(施設所有者賠償責任保険)だ。

まず、施設の不備で賠償責任が発生する具体的なケースには、外壁が剥がれて入居者が所有する自動車が破損した場合や、エレベーターに挟まれてケガをした場合などが挙げられる。特に人のケガの場合には、治療費は元より損害賠償・逸失利益なども請求される可能性がある。さらには火災が発生したが非常口・非常階段の不備で入居者に死傷者が出た場合などは、被害者が会社員であれば、その後に稼いだであろう金銭なども賠償額に含まれる可能性があり、それこそ賠償額は軽く億単位になる可能性がある。

施設の不備で賠償責任が発生する具体的なケース

それでは、これらの補償が受けられる保険の保険料は如何ほどなのか。下図はエース損保のオーナー向け施設賠償責任保険だが、保険料は保険期間2年でマンション1棟でも1万円程度になっている。この金額が高いか安いかの感覚的な問題はさておき、事故が発生する確率が極めて低いとはいえ保険料は安めに映るのではないだろうか。

その理由の1ついえるのが、天災による賠償責任は補償の範囲外となっている点が挙げられる。例えば、地震が起きて外壁が落ちて通行人をケガさせた場合、これは施設の不備ではないと看做されれば保険金が支払われない可能性がある。天災であれば火災保険の範疇といえば理解はできなくもない。ただ、規約上はそう読めるが、実務上では保険金が支払われる可能性もあるため契約時に要確認だ。

エース損保の施設賠償責任保険(施設所有者賠償責任保険)

また、事故が発生する確率が低いと既述したことから分かるように、経費節減という意味では火災保険+地震保険と異なり加入しないという手もある。特に新築物件・築浅物件であれば必要性が乏しい可能性が極めて高い。その反面、築古物件や木造物件だと経費節減を理由に加入しないのは妥当とは言い難い。保有する物件の特性を把握したうえで、その可能性を考えて加入の必要性を判断する必要がある。

以上が施設賠償責任保険についてだが、各保険会社によって保険料は異なれど補償内容には大差が無い。ここは、ほぼ保険料重視で判断して保険会社を選択してもいいだろう。また、何か不安があればネットや書籍での情報収集だけでなく、保険代理店・FP・銀行などの無料相談を利用したり、不動産相談会(不動産投資セミナー)などで同業者の評判を聞くなども有益といえるだろう。